さて、新年のスポーツとして、もう一つメジャーなものがありますが、実は山登りです。日本でも、元旦の初日の出をご来光・・なんて呼びまして、高い山に登って、ご来光を拝む習慣がありますが、中国でも山登りが盛んなわけです。
北京の人々は八達嶺にある万里の長城を登って初の日の出を見ますし、ラサの人々はポタラ宮を初詣、福州の市民たちは太鼓の山を登って祝いました。ある統計によると、全国12の都市で、元旦に高いところに登って初日の出を見た人は5万人に達したということです。
中国では、元旦に高いところに登ったら、この一年を元気よく、順調に過ごせると言われています。とても縁起の良いことなんです。ただ北部の都市、別名「氷の町」と呼ばれるハルビンでは、人々は山に登らず、川に行くのです。ハルビンの人たちのお正月は「寒中水泳」から始まります。
冬の平均気温はマイナス20度以下に下がりますが、寒中水泳を好んでやっている人は非常に多いのです。元日はハルビンの「冬泳の日」でもあります。今年も、180人のチャレンジャーたちがハルビン市内を流れる松花江で寒中水泳を敢行しました。
もちろん川は凍っていますが、凍った川を破って、プールをまず作ります。その中で泳ぐわけです。長く泳げませんから、20メートル程度で折り返します。
その参加者に、一番年配の方は74歳で、最年少は6歳だそうです。今回の新年寒中水泳大会のため、北京か らわざわざ駆けつけた、今年70歳になるトウさんに伺いました。
「私は寒中水泳が大好きなんですよ。長年、ずっと続けてきましたから。今回はこの大会のために、北京からかけつけました。寒中水泳は体に、特に心臓や呼吸器にいい刺激が与えられるって聞きました。これで新年を迎えるのは、2007年が健康的な一年であるよう祈るためです。」
中国では特にここ最近、多くの人たちが健康に関心を持つようになってきました。これについて、北京体育大学で社会スポーツ学を研究している黄雅玲教授に聞きました。
「以前は、正月と言えば、食べたり飲んだりで祝う人が多かったんですが、ここ最近、スポーツから一年を始める人が増えています。健康であるかどうかは、病気をしているかどうかだけではありません。心身両面が健全であるかどうかが大切です。スポーツは、体力づくりだけでなく、コミュニケーションの輪を広げ、またストレスを発散したり、精神面をリフレッシュしたりすることができます。この重要性、認識が国民の中に浸透してきたからこそ、お正月をスポーツから始めて、今年一年を健康な年にしようと意気込む人が増えてきたといえます。今年は、この健康への認識がより深まる年になると思います。」
今週のトピックス、中国人の新年の過ごし方についてお伝えしました。(文章:王丹丹 01/09) 1 2
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