12月1日から15日まで、カタールの首都ドーハで行われたアジア大会で、中国勢は大活躍を見せ、165個の金メダルを獲得しました。
中でも、水泳会場では画期的な出来事が起こりました。シンクロナイズドスイミングで、中国勢は、今大会で、デュエット・チームの2種目で国際大会で勝ったことのない日本を上回って金メダルを獲得したのです。この出来事は、アジアスポーツ界に衝撃を与えました。国家体育総局の責任者は、シンクロ代表が長年努力を重ねた結果だと受け取っています。
中国女子シンクロ代表は、毎日8時間の練習をこなし続けています。試合や訓練で、年間1日も休みがない状況です。
厳しい練習の結果、ここ数年、中国シンクロは国際大会でもまずまずの成績を上げています。もっといい成績を目指すため、外国の優秀なコーチを招致し始めました。2000年からは、カナダのヘッドコーチ・クロクソン氏を招いて、演技の構成等で協力を仰いできました。
そして、今度は、日本の前ヘッドコーチ・井村雅代さんを招致しました。彼女は、中国シンクロナイズドスイミング国家代表の監督として、北京オリンピック大会まで、指導に携わる予定です。
井村雅代さんは、日本の『シンクロの母』と呼ばれ、シンクロがオリンピック種目に登場した84年のロサンゼルス大会から6大会連続で出場、日本に8個のメダルをもたらしました。また、奥野史子・小谷実可子ら、世界に通用する一流選手を次々と育てたことで有名です。井村監督がいたからこそ、日本が世界のトップレベルに立ったと言っても過言ではありません。
日本は試合で中国と顔と合わせることが多いですから、これまでもライバルとして、中国を見てきました。良く事情が分かっているということ、アジアの国同士で演技の構成で共通する点が多いことなどが、井村さんを招いた大きな理由です。
1月1日から、井村監督の中国での指導が始まります。来年3月、メルボルンで行われる世界水泳選手権が最初の大舞台。井村監督の指導によって、中国シンクロはどんな変化を見せるのか、そして2008年の北京オリンピックの頃、どんなチームになっているのか楽しみです。
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