さて、ではこの調査の費用のことなんですが、中国はこれまで二回、この調査を行いました。初回調査は全て、政府が資金を拠出しました。ただ今回の調査は全国的に行なわれているスポーツ宝くじで集めた資金から1000万元、日本円にすると、およそ1億5000万円あまりの資金が拠出されました。日本のサッカーくじのtotoに当たりますが、そこから今回の調査費用が出ているというわけです。
また今回の調査では、「国民体質総合指数」という数字が初めて導入されました。これについて、国家体育総局の胡家燕副局長に聞きました。
「第一回調査が終わってから、私たちは国家統計局の提案をもとに、『国民体質総合指数』を作りました。これによって、国民全体の体質の変化、また異なる年齢層の人たちの体質の変化を継続的に示すことができます。国民の身体状況の変化を分析する上で、非常に役立ちます。」
政府が国民体質調査を強化する目的は、国民の体質の変化をできるだけ正確に把握し、それに基づいて、健康に関する福利厚生や健康指導などを行うことにあります。この指数をどう生かしていくか・・この点について、体育総局の胡家燕副局長です。
「今後、政府部門をはじめ、体育、民政、労働及び社会保障などの関係部門が協力して、国民体質調査を徹底的に行っていくよう呼びかけています。国民体質調査を踏まえて、疫病の予防や、リハビリ、食事指導、心理コンサルティング、スポーツ指導などをうまく結合して、健康サービスの仕組みを確立することによって、国民の皆さんに、より健康的な生活を営んでもらえるよう、努力していきたいと思っています。」
調査をどう生かしていくか・・これが最も難しいところだと思いますが、今後は、先ほどの問題点、つまり西部と沿海地区、農村と都市部の格差をどう縮めていくか、大きな課題となりそうです。中国の国民体質は全体から言うとまだまだですから、国民体質調査は今後も長く実施されていく必要があると思います。(文章:王丹丹 10/11) 1 2 3
|