「フィンスィミングはこれから世界選手権も控えているんだよ。今大会はその選手選考も兼ねている。だから、選手たちのモチベーションは高く、非常に集中している。加えて、私たちは高いレベルのコーチ陣を擁している。彼らは、豊富な経験を持ち、選手たちに、ふさわしいトレーニング方法を日夜研究している。トレーニング機器の開発においても世界トップレベルを誇るね」
中国でこのスポーツが盛んになってきた理由について、蘇秘書長は、「フィンスイミングは、ダイビングの一種。中国人の生活が豊かになるにつれて、スポーツとレジャーを融合させたこの競技の愛好者が増加してきた」と語る。
フィンスイミング以外にも、今大会、会場には多くの世界チャンピオンが姿を見せた。ビリヤード場には全英スヌーカーオープンチャンピオンの丁俊暉。ボーリング場には世界女子チャンピオンの楊穂玲。ボディービル会場には、去年中国初の世界チャンピオンとなった銭吉成。そしてチェスの会場には、中国初めての世界チャンピオン謝軍などなど・・。
これらの競技の特色は、ただ世界の一流選手を有するだけでなく、広く一般の人たちにも愛好されている「国民的スポーツ」だということである。チェス、ビリヤードなどは言うまでもないが、スポーツダンス、ローラースケートなども競技人口が増えつつある。
中国スポーツダンス連合会の尹国臣秘書長によると、「スポーツダンスが中国に入ってきたのは80年代。以後、あっという間に広がり、今や若者を中心に多くの愛好者がいる」と語る。2002年度の調査で、愛好者が3000万人に達することが分かり、さらに本格的に競技に取り組む人が延べ6万人に上るという。
ローラースケートも多くの若者の人気を集めている。アジアローラースケート女子チャンピオンを育てた徐三兆監督は、「ローラースケートは、娯楽性と競技の面白みを兼ね備えている。五輪競技には入っていないものの、全国各地で盛んに行われ、ある都市では、学校のカリキュラムにも入っている」と語る。
シドニー・アテネと続いたオリンピックで中国選手たちは世界に誇れるすばらしい成績を残し、スポーツ史に新たな一ページを作った。だが、その一ページに決して載ることのない"非五輪種目"でもまた、中国選手達はあくなき記録への挑戦を続けているのである。 1 2
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