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中国身障者スポーツの「今」
   2006-05-10 09:46:52    cri

 オリンピックはもちろんみんな楽しみにしていますが、それが終わってから始まる「もう一つのオリンピック」、障害者スポーツの祭典、パラリンピックもここ数年より大きく注目されるようになっています。以前は、オリンピックの影に隠れて、目立たない存在ではありましたが、オリンピックと同時開催されるようになったソウル大会くらいから、こちらもオリンピックと同様注目を集めるようになりました。

 2004年9月にアテネで開かれたパラリンピックには45カ国が参加しましたが、中国の23人の選手が29回世界記録を更新し、獲得メダル数も1位となるなど、障害者スポーツにおいても世界のトップを走っています。

 さて、中国パラリンピック組織委員会がこのほど記者会見を開きました。ここで一人の女子選手はみんなから注目されました。すらりとした背格好、ぱっちりとした目が印象的ですが、目線は微動だにせず、同じところを向いています。彼女の名前は王麗静。麗しく、静かなという字を書きます。天津生まれの17歳です。

 彼女は生まれたときから視力がほとんどない・・つまり視覚障害者なんです。ところが、身体能力は人並み外れたものをもっていて、8歳の時にまずゲートボールに興味を持ち始め、すぐに頭角を現し・・さらに14歳のとき、その運動能力に目をつけた体育関係者に柔道をするよう薦められました。

 柔道を始めてわずか3年ですが、すでに彼女は視覚障害者の柔道部門でメダルを狙える位置にいると言われています。ただ、彼女がここまでくるには相当の苦労があったようです。「柔道を練習するとき、障害のない人なら、目で見て要領をつかめるでしょう。でも、私たちは見えないから、先生に手取り足取り、指導してもらわなければなりません。先生の一つ一つの動作を手で触り、そのやり方をまず肌で感じてから、自分のものにする・・大変でした。」

 触って、感じて、そして学ぶ・・そのような練習が毎日5時間。週6日間。暑い夏も寒い冬もずっと続きます。練習のない日は試合。これが王麗静さんの全てとなっているのです。17歳の彼女にとって、柔道とはいったいなんなのでしょうか。

 「スポーツからいろいろなことを学びました。実はもともとは、あまりスポーツに興味がなかったのです。でも柔道を練習してからは、まず意志が強くなりましたし、忍耐力もつきました。柔道の稽古を通して、自分の限界を超え、最高のレベルを求めることの喜びを知ることが出来ました。」

 彼女の場合、目にハンディキャップがあるだけで、それ以外は並外れた運動能力と精神力を持っていて、それが今の力につながっていると言われています。アテネパラリンピックで中国が見せた圧倒的な強さから分かりますように、この王麗静さんのようなハンディキャップを克服した強力なアスリートが中国には大勢います。

 もちろん、北京オリンピックでも活躍が期待されていますが、ただ障害者スポーツについては、ただ総メダル数だけを追い求めていくという方針ではありません。中国パラリンピック組織委員会の趙素京副事務局長に伺いました。

 「メダルを獲得するよりもっと重要なのは、精神面、そしての身障者自らの価値を試合を通して示すということですねえ。確かに体が不自由ではあるけれども、国に栄光をもたらすことができる、このことが選手たちを満足させるというわけです。だから、どの選手も日常のトレーニングを非常に一生懸命がんばります。コーチに促されることはほとんどないですね。むしろ、コーチの側から少し休もうと声をかけることが多いくらいです。」

 しかし、その一方で、一般の市民レベルの障害者スポーツの現状は決して満足とはいえません。まだ身障者が使いやすいスポーツ施設の数がそれほど充実していないのです。ここ数年で、都市部のほとんどのコミュニティに公共のスポーツ施設が整備されるようになりましたが、残念ながら、身障者が気軽に利用できるものはほとんどありません。中国パラリンピック組織委員会の趙副事務局長に現状を伺いました。

 「やはり考え方の問題です。身障者にとってもスポーツが必要なもので、彼らもスポーツをしたいというごく当たり前のことが、社会的には、まだ十分浸透していません。例えば、どの団地のスポーツ施設にもウォーキングマシンですが、その上に目の不自由の人が読める点字で使用方法が説明してあれば彼らも気軽に利用することができます。考え方を少し変えて、少しの思いやりを加えれば、別に多くのお金をかけなくても、身障者のためのスポーツ環境が大いに改善されることができると思います。」

 そんな中、中国パラリンピック委員会は先日、北京郊外に中国初となる障害者向けトレーニングセンターを建設することを発表しました。建設予定地は北京郊外の順番の順に義務の義と書いて、「順義県」というところで、6つのトレーニング施設を持つ大規模なものになるということです。この施設はやはり2008年まではパラリンピックの代表選手の強化の目的に使用されますが、その後は一般の身障者に開放されることになっています。

 今、中国ではパラリンピックのレベルから市民レベルまで幅広い範囲で、整備が着々と進んでいます。その成果が試されるのが2008年、もう一つのオリンピック、パラリンピックの場ということになります。(文章:王丹丹)

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