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21点制導入後の中国バドミントン
   2006-05-17 09:57:34    cri

 バドミントンの世界選手権・男子トマス杯、女子ユーバー杯が5月はじめ、日本で行われました。中国が男女アベック優勝を果たし、「バドミントン王国」の地位を不動のものとしました。

 今回のバドミントン世界選手権は、ルールの大きな改正が行われたことでも注目されました。これまでの15点制が21点制に変わりました。この変化はバドミントン界に未知数な部分をもたらしています。

 つまり、これまでは15点先取で行われていたのが、21点制で行われるようになったわけです。そしてそのシステムの下で行われる初めての大会が世界選手権団体戦の男子トマス杯と女子ユーバ杯だったというわけです。日本で行われていたこの大会で、中国代表は、全ての試合を3:0でストレート勝ちし、圧倒的な強さで優勝しました。

 21点制にうまく対応できるかどうかは、今大会、各強豪国が試される最も大きなところと見られています。そんな中で、前回大会優勝の中国は、言うまでもなく、大きなプレッシャーを背負っていました。

 中国代表がこの新たな21点制にどのように対応したのか、この制度はバドミントン競技の発展にとってプラスなのか、マイナスなのでしょうか。

 バドミントンの場合、これまではサーブ権を持っているときに限って、得点が加算されたのですが、今後はサーブ権に関わらず、全てのプレーが得点に加算されます。バレーボールでも導入されていますが、いわゆる「ラリーポイント制」がこれにあたります。これにより、選手たちの持つ力をよりよく発揮することができるようになるということです。

 しかし、そうすると、試合結果が偶然性によるところが高くなります。一流選手であっても、試合の流れに巻き込まれ、勝利を逃すことは考えられます。

 中国や、インドネシアなどバドミントンの強豪国にとって、この制度の実施は、試合における未知数な部分が増えることから、より難しい戦い方が強いられますが、バドミントン全体の発展から言うと、この制度の導入はプラスであるとされています。

 去年の初め頃、IBF・国際バドミントン連合会が21点制導入の意向を示しました。その時点から、中国は21点の実施に応じてトレーニングの内容を調整してきました。この慣れない21点制で選手たちは大変な苦労をしました。男子代表第一シードの林丹選手です。

 「一定レベルに達した選手にとっては、慣れていた15点制から突然21点制への変化に対応することは難しいです。試合の感覚が完全に変わってしまいますから・・新しい試合感覚をつかむのが大変です。」

 21点制では、まずサーブ権があって、初めて得点が加算される仕組みがなくなります。つまり、サーブ権の移動で、リズムを立て直すことができなくなり、サーブ権があっても、ミスしたら、相手が得点することになっています。

 中国選手は特に、試合の中で少しずつ自分のリズムをつかんでいく選手が多く、このようなリズムの速い試合は彼らにとって、難しい試合になりそうです。女子シングルス世界ランキング1位の謝杏芳選手はこれについてこう語りました。

 「今の得点ルールのように、得点が交互に上がる形になると、特に試合後半になれば、戦術とかを考える余裕はほとんどありません。目の前のポイントをまずとることで精一杯です。」

 実力に差があるとしても、偶然の要素で勝敗は逆になる可能性は高くなります。しかし、これこそが、国際バドミントン連合会が狙うところだそうです。中国代表の総監督、李永波氏です。

 「21点制はより多くのチームや選手たちにチャンスを与える結果になるでしょう。試合は多くの未知数の要素に溢れ、結果は誰も予測できなくなります」

 また21点制の実施によって、試合の時間も大幅に短縮されました。これまでは、続けて二ポイント獲得した方が得点するという形でしたが、サーブ権の移動が続くと、試合時間も長引きます。一試合が3時間、4時間かかることも少なくなく、選手だけではなく、観客も疲れてしまいます。

 あともう一つ、大切な点がありますが、テレビ中継などに適したスポーツにする・・ということです。ラリーポイントであれば、試合時間は大体一定しますから、中継などでもやりやすくなります。これで、より多くの人たちにバドミントンの一流の試合を楽しんでもらえる可能性を高めることになるわけです。だから、バドミントンの今後の発展を考えると、見る側、観客の立場からルールを変えていかなければならないというわけです。中国代表の李永波総監督です。

 「国際バドミントン連合会の改革は、この21点制だけにとどまりません。当然、選手と監督はそれぞれ異なる意見を持つのはしょうがないですが・・。例えば、私はこれまでの試合形式のほうがよいと考えているんですがね。ただ、このスポーツを愛する者の一人として、今後の発展に有利な改革であれば、私たちは積極的に支持すべきであると考えています。」

 そしてルールの変更に対し、スポーツ選手として、それに不満を唱えるのではなく、自分をそれに合わせて、適応させていくのは至難の業です。

 去年の初め、IBF・国際バドミントン連合会が21点制の導入を検討し始めた頃から、各国はそれぞれ対応策を練り始めました。普段のトレーニングから、各レベルの試合まで、全て21点制を意識して練習を積み重ねてきたわけです。そして先月27日から今月7日まで東京で開かれたバドミントン世界選手権の団体戦で初めて公式戦の場で、この21点制を体験したわけです。

 試合前、21点制でかなりのプレッシャーを受けていた中国代表は、予想以上に順調な試合展開を見せ、男女とも全勝の成績でチャンピオンを獲得しました。

 中国女子は世界でもダントツの実力を持っているため、全勝してもそれほどおかしくないですが、今回、中国男子も3?0で、強豪のインドネシアとデンマークを相次いで下し、驚くべき勢いを見せました。

 どうして彼らは今回のような成績を取れたのでしょうか。李永波総監督に伺いました。

 「今回、中国が勝利を勝ち得たのは、いくつかの理由があります。まず、一つのチームとしての一体感です。そして第二にこのチームの誰もが強い使命感を持っているということ。第三に、彼らは世界で最も優れた技術を身につけているということです。」

 今回出場した中国代表の男子は、最年長が23歳です。2008北京オリンピックに向け、彼らはまだまだ必ず引き続き成長するだろうと見られています。スポーツ選手としてのスポーツ人生はまだスタートしたばかりで、これから、まさに黄金時代を迎えようとしているのです。中国代表の李総監督です。

 「16年前の1990年、私自身も選手として、同じくこの体育館で、トマス杯での中国チーム三連覇を経験しました。今、若い世代が次の三連覇達成まであと一歩です。今大会を通して、彼らには三連覇或いは四連覇を実現する能力があると信じています。」

 しかし、これからの連覇を目指す道は決して平坦ではありません。21点制がもたらす試合はかなり偶然性に左右されることから、普段のトレーニングで練習法から精神的な面の訓練を徹底的にしなければなりません。

 この一年あまりは、ほかの国に比べ、中国代表はこの面でより大きな成果を収めましたが、これからの国際試合では、中国代表は、きっともっと多くの困難に出会うに違いがありません。

 2004年、中国はバドミントン・国、地域別対抗戦、トマス杯とユーバ杯を獲得し、その後に行われたアテネオリンピックでは、女子シングルス、女子ダブルスと男女混合ダブルスの三つの金メダルを手にしました。次の北京ではなんといっても男子個人部門の金メダルが期待されています。ここ数年、男子のレベル向上を目指してきた中国は、今回、トマス杯制覇、団体戦優勝という形で結果を残しました。2008年、中国は念願のメダルを獲得するかどうか、楽しみにしましょう。(文章:王丹丹)

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