聞き手:王小燕、高橋恵子
jingji
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年が明けて最初のCRIインタビュー。素敵なお客さんをスタジオに迎えました。横浜からの空手道師範・今井実さんです。
がっちりした体格に、何事にも動じない落ち着いた表情。見た目からして屈強な空手マスターの今井さん、「僕は子どもの時、体が弱かったのです。体育の授業が苦手で、いつもウソをついてサボったりして、同級生からいじめられていました」などという話を、誰が信じましょう。
「将来、何になろうと思ったのかは、もう覚えていない。それよりも、何になれるんだろうとばかり思っていました」
「強くなりたい!」と願い続けていた今井さん、17歳の時に運命の出会いがありました。
その場所は家の近くにある横浜中華街。出会ったのは当時33歳の空手師範・三代正廣(みしろまさひろ)氏。
17歳から稽古が始まり、汗水を流す日々のスタートです。稽古が始まって1年経った時から、大会にも出るようになりました。しかし、最初は厳しい試練の連続でした。
「何度やっても勝てない、当たらない、届かない、怖さが消えない。早く終わってくれないかとばかり考えていました。だって、僕は決して大好きで空手を始めたわけではない。強くなりたいからやっているだけ。苦労が好きでやったわけではない」
しかし、一つだけ決意が固かった。
「ここでやめても目指す自分にはなれないだろうし、ほかのことをやっても苦難を乗りこえなきゃいけない。逃げて回り道をしても、結局何も変わらない」
今は400人の門下生を抱えている今井師範。北京支部に年2回ほど指導しに訪れ、多忙な日程をやりくりしている毎日です。
「どんな動作でも1万回練習すれば、上達する。だから、黙って3年やれば、人と違ってくる」
淡々とした語り口で教えてくれました。
では、一体、弱い自分を乗り越えて、強くなるにはどうすれば良いのか。今回は空手の由来、今井師範と空手との出会い、空手道の追い求めるものなどをめぐり、SNSに寄せられた皆さんの質問も織り交ぜながらお話を伺ってまいります。
余談ですが、中国のソーシャルメディアでは、「空手」と言うと、その代名詞とされる人物がいます。『名探偵コナン』のヒロイン「毛利蘭」のことです。いったい、毛利蘭の技は、今井師範が検定すると、何段に見えるのでしょうか。詳しくはインタビューをお聞きください。
【今井師範に聞く】
――空手の由来を教えてください。
元来、空手のルーツはインドから達磨大師が仏教と共に中国の少林寺に伝え、それが沖縄琉球王国を守る武士達に伝わり、元々沖縄にあった武術「手(ティ)」と融合して、唐手「カラテ」となったものが始まりと言われています。
――「少林寺流空手道」とは?その特徴は?
開祖・保勇(たもつ いさむ)氏の作った流派です。特徴は、運足の出入りの速さにあり、四股立ち、前屈立ち、交差立ちの三つの立ち方を基本に七つの型を修行します。身体の大小、筋力の強弱に関係なく老若男女どなたでも迫り来る危機・暴力を回避し、自己を守り敵を制する、優れた理想の護身術として身に付ける事が可能です。
【プロフィール】
今井実(いまい みのる)さん
全日本少林寺流空手道連盟錬心舘関東地区本部今井道場師範(錬士五段)
1965年に生まれる。
17才の年に、錬心舘に入門。その後、他に類を見ない組手の達人として、錬心舘東日本選手権大会を始めとした数多くの大会で優勝、入賞を多数重ねる。
現役選手として空手道を究めるべく研鑽を積むと同時に、後進の指導にも情熱を燃やし、2010年には神奈川県横浜市中区に「今井道場」を開設。空手の「技術」にだけでなく、人としての成長を促す高い指導力には定評があり、日本人のみならず在日外国人も含め、老若男女多数の門下生を集めている。現在、「今井道場」には400名近い道場生が通い、単一の空手道場としては日本で最大規模のものとなっている。
2013年9月より、北京に「今井道場北京支部(支部長:江利川宗光)」が開設され、年に2回、北京在住の日本人や中国人支部生の指導や昇級審査のため訪中している。
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