中国の温家宝首相は、11日から13日まで、日本を公式訪問しました。中国の首相が日本を訪問するのは、2000年の朱鎔基前首相以来、実に7年ぶりです。
温家宝首相は、中国国内でも「庶民派首相」として知られています。今回の訪日でも、温家宝首相は国会で演説を行ったほか、日本の国民と庶民的な交流の機会を持ちたいと、農家を尋ね、京都の大学生と野球交流を行いました。
今回の温家宝首相の訪日について、日本の政治家や関係者はどう見ているのでしょうか。中国国際放送局東京支局の張国清アナウンサーは、日本共産党幹部会の緒方靖夫副委員長、そして、日中交流クラブの杉本静夫副理事長にインタビューしました。
<緒方靖夫・日本共産党幹部会副委員長>
「両国首脳の訪問が途絶えるということは、不幸なことだと思う。中国の全人代の最終日に、温家宝首相が記者会見を開いた。ちょうど私は北京にいて、その記者会見の中継を見ていた。温首相は、今回の訪日について、『日本の安倍首相の訪中が氷を割る訪問なら、私の訪日は氷を溶かす訪問にしたい』と述べた。昨年の安倍首相の訪中が中日関係の再スタートならば、温首相の訪中は、両国関係を一層大きく促進するものだと思う。日中の経済関係がこれほど固まっているのに、何で政治関係はこのように不安定なのか。それを考えたときに、歴史認識の問題がある。この問題をきちんと解決しないと、両国関係は絶えず不安定で、傷口を作ったり広げたりする関係になりやすい。これからの課題としては…これは日本側の問題であるが、きちんと解決していくことが大切だ」
<日中交流クラブ・杉本副理事長>
「(2007年の中日文化・スポーツ交流年にあたり、さまざまな交流イベントが開催されることについて)これをきっかけに、両国間のスポーツ交流が、若い人からお年寄りまで盛んになればいいと思う。最近、日本の卓球選手の福原愛さんは中国で活躍している。これで、日本の若者が中国の存在をかなり身近に感じられるようになったと思う。また、日本の井村雅代コーチも、現在中国のシンクロナイズドスイミング国家チームの監督を務めており、中国チームのレベルが向上している。こうしたかたちで、お互いの交流が今後ますます盛んになる。スポーツというのは、国境がない。スポーツを通して、両国の友情が深まることが大事だ。政府や地方自治体が、全面的に『スポーツ・文化交流年』を促進することは、大変有意義なことだ。前回、朱鎔基前首相の訪日の際は、テレビ番組にも出演して、日本の若者と一緒に話し合った。これによって、中国に親しむ日本人が結構増えた。温首相が日本に来て、若者を含めいろんな人と接することによって、お互いの信頼関係が高まってくると思う。今回は大いに期待している」
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