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日本で活躍する中国人・徐 迪旻
   2006-05-30 14:09:07    cri
 徐 迪旻・株式会社STVーJapan代表取締役社長

 徐 迪旻(じょ・てきみん )

 1964年上海市生まれ。89年に華東師範大学行政管理専攻卒業後、上海青年管理幹部学院(大学)で 講師を勤める。92年から日本に留学、03年慶応義塾大学大学院商学部博士課程修了。04年株式会社STVーJapan代表取締役社長に就任。そのほか、中国語メディア情報誌「愛華」編集長、NPO法人亜洲友好協会の理事長などを兼任。

 取材に当たったのは、張国清・北京放送東京支局長です。この取材内容は日本東方通信社の編纂による週間雑誌「コロンブス」2006年1月号に掲載されています。

 「地位と資材を投げ打って  日本の学校で学んだ日々」

 張国清:「東方衛視」は日本でも「チャンネル中国」としてスカパーなどで放送中ですが、まずは「東方衛視」が放送される経緯についてお聞かせください。

 徐 迪旻:「東方衛視」は上海市政府が出資してできた中国初、そして中国最大の衛星放送局です。その後、中日友好、特に文化交流の一環として、日本では02年からスカパーのコンテンツとして放送を開始し、運営には、私たち「STVーJapan」があたっています。番組は中国で放送しているものと同じで、経済番組や国際ニュースに定評があります。例えば、取材体制を見ても、他局より1時間も早く速報ニュースを配信したこともあります。

 張:実は、私も東方衛視の視聴者のひとりです。海外ニュースが豊富なので、毎晩7時から放送されるニュースはかならず見るようにしています。ところで、徐さんの日本とのかかわりについてうかがいたいのですが。

 徐:私は上海市で生まれ、上海市の「華東師範大学」を卒業しました。その後、87年から92年までの5年間「上海青年管理幹部大学」で政治教育学を教えていました。ちょうどその頃、中国共産主義上海市青年団委員会が「中日交流センター」を設立する予定であることを知り、私も中日友好のために、その活動に参加したいと思ったのです。そこで、92年に大学を辞めて、私費留学生として来日したのです。

 張:社会的地位の高い職を捨ててまで来日するには、強い意志が必要だったと思います。しかし、私費留学では苦労も多かったことでしょうね。

 徐:日本語学校に通っていた頃の住まいは、3畳1間、家賃1万8000円のアパートでした。部屋にはクーラーもなく、夏は暑くてたまりませんでした。でも、周囲の方々の愛情に恵まれました。アパートの大家さんは親切な方で、いまでも、時々差し入れてくれた、たくわんつきのオニギリの味が忘れられません。とても感謝しています。振り返ってみると、この時期の苦労が、日本語の上達にもつながっていると思っています。

 張:日本語学校卒業後も、日本の大学院に進学して博士課程を修了されたと聞きましたが。

 徐:94年に、東京学芸大学大学院修士課程に合格して、社会福祉の勉強を始めました。「中国にも高齢化社会はやってくる。日本や米国の医療制度や福祉制度を学び、母国に帰って貢献したい」と思ったからです。修士課程修了後も研究を続けたいと思いましたが、学芸大学に博士課程がないため慶應義塾大学の博士課程に入学しました。

 張:そこでは、どのような学生生活を過ごされていたのでしょうか。

 徐:大学の図書館がとても充実していたので、本を大量に読みあさりました。また、関東留学生会の会長に選ばれ、中国人留学生のためにがんばりました。幸い、国費留学生に選ばれて、まとまった奨学金が下りたので、経済的にはかなり余裕ができました。アパートも3畳1間から少し広いアパートに越すことができ、週末には自宅を留学生のために開放しました。毎週、大体10人ぐらいの留学生が集まって交流していましたね。そして、もらった奨学金のなかから月5万円ぐらいは留学生のために使っていました。それもあって、当時の仲間は今でも私を応援してくれているのです。

 「日本での中国語放送を通じて  中日間の相互理解をはかる」

 張:さて、徐さんと「STVーJapan」との関わりはいつ頃からですか。

 徐:慶應義塾大学院博士課程修了後、中国に帰国しましたが、東方衛視が日本でも放送されるため、日本での運営も任せることができる人材が求められていました。私は、卒業した慶應義塾大学がマスコミに強いということと、在日中国人向けの情報誌「愛華」の編集長を長年務めていたことが評価され、上海東方衛視に採用されたわけです。「STVーJapan」の設立当初は、日本の放送法で外国人は代表になれなかったのですが、法律が改正され私が社長に就任することになりました。

 張:日本で中国の番組を放送するにあたって、どのような気持ちで経営されていますか。

 徐:テレビを通じて両国の相互理解をはかりたいと考えています。とくに中国人の真の姿を日本に伝えたいという気持ちで一杯です。ですから、中日間の文化交流の一端を担っているという責任を感じながら経営しています。ただ正直いって、現状、経営は厳しい状況です。しかし、私は苦しい状況こそがチャンスなのだと考えています。貧困と闘ってきた日本語学校時代などを通して、皆が尻込みするときに、あえて挑戦することが良い結果につながると考えているのです。

 張:日本でのPRはどのようにして展開しているのですか。

 徐:まず、視聴率を上げるために「中国語講座」を放送し、土・日曜日や夜7時~9時のゴールデンタイムを無料放送するなど、スカパーの視聴者にうまくPRしたいと考えています。事業としては、アジア全域で活躍するアーティストを育成するために、「芸能人養成センター」を06年4月から開講する予定です。07年には上海でパラリンピックが、08年には北京オリンピック、10年には上海万博が開催されますので、今が視聴者を増やすチャンスだと考えています。この機会を捉えて上手に宣伝していきたいと思っています。

 張:日中両国の文化交流のためにぜひとも頑張ってください。本日はありがとうございました。

 ちなみに、東方衛視が06年4月から開講する芸能人養成所。アジア全域で活躍できるアーティストの育成を目指す。コースは俳優、歌手、声優の3コースで、芸能界で活躍中の著名な演出家たちが講師やディレクターとして参加する。期間は1年で、生徒数は90名。年齢、性別、国籍不問。現在、生徒募集中だ。

 問い合わせ先/(株)STVーJAPAN 芸能育成センター 

 Tel:03-5753-3880 担当:鈴木敬行

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