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私の中国への思いー野村知行
   2005-12-27 11:51:39    cri
 若い人の多い中国隊員の中にあって、30歳代の私は比較的年齢が高いメンバーということになる。とはいえ、1972年の日中国交回復の時は、まだ幼い子どもだったが、あのときのことをリアルタイムで覚えているのは、もう、私の年代が最後であろう。

 北京、中南海の一室で、中国の周恩来首相と日本の田中角栄首相が「日中共同宣言」に調印し、カメラのフラッシュを浴びながら全世界に向けて発表しているテレビ中継を、今もはっきり記憶している。

 その後の、日中友好の雰囲気の中で、日本では空前の中国ブームが起こったが、私は、そんな時期に、小中学生時代を過ごした。特に中学生になってから、中国について紹介する様々な本を読んだりすることを通して、日本と中国の歴史、とりわけ20世紀に入ってからの不幸な歴史についても知ることになった。私が、中国と日本に橋を架けるような活動や仕事に参加したい、と強く思うようになったのは、さかのぼれば、このころに始まっている。

 大学時代より、少しずつ中国語の勉強をしてきたが、旅行で中国を訪れる機会は何度かあったものの、中国の社会に飛び込んで仕事をする機会には、なかなか恵まれなかった。しかし、今、青年海外協力隊のメンバーとして、中国の職場で仕事をできることになり、たいへん嬉しい気持ちでいっぱいである。

 私は、この9月から、江蘇省無錫にある東林中学で日本語の授業を担当している。東林中学では、私は、外国人教師であるが、学校職員の一人として、明日の中国を担う人々を育てる責任の一端を担っていることを、常に念頭において仕事にあたりたいと考えている。

 東林中学での活動を通して、日本と中国との間に「橋をかける」仕事を、精一杯やってみようと思う。いささか言い古されたことばであるが、日本と中国は「一衣帯水」の隣国である。両国のよい関係が、永く続くことを願っている。

江蘇省・無錫市東林中学;日本語教師

 「人民網日本語版」

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