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中国語研究の学術団体「二四四会」で研究する相原茂教授(中央こちら向き)(撮影・林崇珍) | | 学習者は増えていてもこの現象を「ブーム」とは呼べない。「ブーム」は熱く燃えるものだが、そういう熱気はない。
しかし、どのような動機であれ、中国語は中国語である。真剣にことばを学ぶ過程において、学習者は中国語の特異性や面白さを知る。日本人にとっての中国語は、実に知的好奇心をそそられる対象である。
例えば「たべる」は「食」かと思うと、これが「吃」と教わる。「のむ」は「飲」かと思うと、これは「喝」と教わる。「吸烟」の他に「抽烟」もある。かたや書面語的であり、かたや話し言葉だ。2つを比べてみると、日本人には書面語のほうが親しみがもてる。
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アスク出版社から最近出版された『中国語旅行会話』。同社は26年の語学教材出版の歴史を持ち、現在、毎年、十数種の中国語関係の教材を出版している | 書面語:食 飲 吸
話し言葉:吃 喝 抽
現在、いろいろなチャンネルを通して中国語学習ができるようになった。NHKのラジオやテレビの中国語講座はもっとも国民に親しまれ、利用されているものだろう。4月のテキスト発売部数はそれぞれ十数万部に達するという。テキストが安価であり、また講師陣がしっかりしているので安心して学ぶことができる。
さらに民間の各種学校があり、入門から上級、通訳や翻訳まで需要にあわせてクラスを選ぶことができる。
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東京の書店で売られている中国語教材 | また最近は、パソコンを利用して直接、中国在住の講師と会話ができるサービスを提供するところもあらわれた。自分の部屋に居ながらにして留学の気分を味わえる。テレビも中国の中央テレビや上海テレビなどを中国と同じように楽しむことができる。ニュースやトークショー、ドラマなど、学ぶ素材はそろっている。実にすばらしい時代だ。やろうと決心し、時間とお金さえかければ誰でも中国語がマスターできる環境が整っていると言えるだろう。
日中関係はこれからの両国にとってきわめて重要なものになってゆくだろう。互いを正しく理解するのに、言語を通しての理解ほど強固なものはない。中国語の学習はますますその必要性が高まるに違いない。
ーー「人民中国」2005年7月号より
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