中国は、今年上半期(1ー6月)に9.5%の高成長を遂げ、また、6月末時点の在中外資系企業は52万社(登記ベース)を超えました。現在、これほど高い成長を遂げ、多くの外資を受け入れている国は、中国おいて他にはありません。
こうした高成長と外資受け入れの結果、中国は世界経済におけるプレゼンスを大いに高めています。一例でいえば、今年中に外貨準備高で日本を抜いて世界第1位になると予想されています。今や、中国が世界経済の成長に大きく関わっていることは、誰の目にも明らかですが、同時に、中国経済は調整と挑戦の時代を迎えたといえます。
7月21日には、11年ぶりに人民元レートの調整が発表され、その先行きに世界の関心が集まっています。また、今年に入り、中国海洋石油が中国史上最高額の買収額(185億ドル)となるユノカル社(米国の石油会社)の買収をめぐり、米国議会はじめ世論を巻き込んだ賛否両論の中、やはり同社買収で先行していた米石油大手のシェブロンテキサコ社と虚々実々な駆け引きを演じました。
この2つの事例は、中国の経済規模が大きくなったことを世界がどう見ているか、これに対し、中国政府や業界がどう対応しようとしているのかを如実に物語っています。
今後、こうした中国が世界の関心を集める状況は、ますます増えてくることでしょう。高成長と外資導入を可能にした改革・開放路線が4半世紀経った今日、中国の問題が世界の問題に、世界の問題が中国の問題に直結してきたということです。
ーー「人民中国」より
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