この「米国の『航行の自由』行動=公理か強権か」と題した文章は、架空の人物の手紙という形式を取っており、差出人は台北のオー・ベイゴン(Oh Beigong)と名乗る女性という設定です。彼女は台湾の漁民の娘で、米軍の駆逐艦が中国管轄下のファイアリー・クロス礁(わが国では永暑島と呼ばれる)に進入したことについて米太平洋軍司令官へ宛てた手紙を書き、カーター米国防相と日本の安倍晋三首相に副本を送ります。この手紙は米国の「航行の自由」を口実に中国に武力を見せつける行為を風刺しています。
文章の中では、米国が南海でいわゆる「航行の自由」による行動を繰り返し行うことは米船員の命を使った冒険であり、何の意味もないものだとした上で、米国が中国への挑発を重ねることは火遊びのようなもので、コントロールされなければ、地域の各側に悪影響を与えるとの懸念を示しました。同時に、「米国にはここでの正当な権利がないのに、なぜ我々が代価を払わなければならないのか」として、「思考力を持つ者が、米国が中国を非難し、海洋権紛争における悪人として描写するたびに、何の不快感も覚えないのか」と問い、アメリカの態度については、「米国は、中国による『航行の自由』を否定する行為の実例を挙げることができず、中国政府が他国の『航行の自由』の権利が脅かした実例を指摘することもできない。ワシントンはこの事実から目をそむける姿勢を示しつつも、中国に対しては南海における権利の維持をさせまいとしている」と書いています。
文章ではまた、中国が当該地域の軍事建設を進めており、将来あらゆる国を脅かすだろうという見方に反論し、米国が世界に60あまりの軍事基地や施設を運用しており、その一部は中国の玄関にあることを強調しました。
文の最後は、「米国は過ちを犯したこと、或いは犯す可能性があることを認めない。彼らはその強権を、公理であるとしてはばからない」との考えを示しました。(ヒガシ、謙)
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