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山東省威海市の石島赤山で仏教世界を体験
   2008-11-28 14:57:08    cri

 「今週のワンポイント」。今日は山東省威海市の景勝地・石島赤山をご紹介します。

 山東半島の最東端に、石島という地域があります。「中国北方のミニ香港」とたとえられるほど美しい石島は、赤山という山を背にしており、まとめて「石島赤山景勝地」に指定されています。「石島赤山景勝地」は国家4Aレベルの景勝地に指定されており、面積は12.8平方キロメートル、森林面積は1000ヘクタールに及んでいます。あたりからは渓流の音や鳥の声が聞こえ、心が静まります。

 仏教音楽が聞こえてきました。景勝地の中心エリア「極楽菩薩界」です。ここには、高さ25.8メートルの大仏が建っています。仏像はブロンズ製の観音菩薩で、重さは200トンあります。大仏の座布団の下から付添い人が徐々に上がり、観音様が出した水を受けます。

 その儀式が終わると、僧侶たちが読経を始めます。それと合わせて大仏が回転を始めると、高さ30メートルの水柱が空めがけて吹き出します。大仏は水を浴びながら、空中を飛んでいるようなイメージを観光客に与えます。

 この「極楽菩薩界」を出て階段を登ると、「赤山明神」像の前に到着します。像はブロンズ製で、高さは58.5メートルあります。石島は三方を海に囲まれており、住民たちは昔から漁業で生計を立てていました。漁業の安全を願って、海の守り神である「赤山明神」を祀ったのです。像は山の頂上にそびえ、漁師たちの安全を見守っています。地元出身のガイド張丹さんは、こう紹介してくれました。

 「『赤山明神』は古代から人々が崇拝している太陽の神です。左手で膝を撫でているのは、人々の心に安らぎをもたらすという意味があります。右手のひらを下に向けているのは、波を鎮め、豊漁をもたらすという意味が込められています」

 「赤山明神」は「海の王」と呼ばれる新羅国の張保コウの海上貿易を保護したり、日本の平安時代の僧・円仁法師が海上で遭難しそうになったときに助けたと言われています。そのため、中日韓3ヶ国の漁師たちに崇拝されているのです。

 790年、新羅国の張保コウという人物が、唐の軍隊に入隊し、功績を残しました。軍を去ったあと石島にやってきて、唐・日本・新羅の3国間の海上貿易を始めたのです。現地住民は「赤山明神」像の近くに記念館を建てて、張保コウの功績を讃えています。

 一方、日本の円仁法師を助けたという伝説についても、「赤山明神」像の後ろに建てられた神殿の中に壁画が飾られています。これについて、ガイドの張丹さんは次のように紹介しました。

 「843年、遣唐使としてやってきた円仁法師は、都の長安から日本に帰る途中、高波に襲われました。この壁画には、当時の様子が描かれています。壁画を見ると、舟に乗った人たちが『赤山明神』のいる方向に向かって拝み、助けを求めています。『赤山明神』が空に向けて矢を放つと、海はすぐに静かになりました。こうして円仁法師たちは無事に日本に戻ることができたのです。円仁法師が亡くなったあと、弟子たちは法師の遺言で、京都に赤山禅院という寺を建て『赤山明神』を祀りました」

 このほか「石島赤山景勝地」には、山東省北東部の庶民たちの生活を紹介する民俗博物館があります。館内には3つの大きな展示ホールがあり、展示エリアは6つあります。実物をはじめ、写真や彫刻などの展示を通して、住民たちが海と密接な関係にあることが分かります。ガイドの張丹さんは、この地方独特の海草で出来た住居について紹介してくれました。

 「この海草は水深5メートルから10メートルあたりに生息しているもので、採取直後は浅い緑色をしていますが、乾燥させると赤みを帯びた茶色に変色します。腐らないので、これで家を作ると100年は持ちますよ」

 現在は海草でできた家に住む人はほとんどいませんが、博物館では、観光客のためにこの住居を復元し、部屋の中に蝋人形を置いて、当時の生活を再現しました。

 ある部屋に、これから嫁に行こうとする女性が化粧をしている様子が再現されていました。これについて、張丹さんは次のように説明しました。

 「嫁ぐ日の朝、当時の女性は早起きをして支度を始めました。この部屋では、おばさんが糸を使って、女性の顔のうぶ毛を取り除いています。今で言う、ブライダル美容ですね。彼女が座っている椅子の下には斧が置いてあります。中国語では、『斧』と『幸福』の発音はよく似ています。だから斧は縁起物です。夫の家に嫁ぐときは幸せを持って行ってほしい。今後も幸せに暮らしてほしい、という意味がこめられています」

 この一帯は温帯季節風気候で、四季の移り変わりがはっきりしています。年平均気温は11度前後と気温の変化は穏やかです。春は鮮やかな花が咲き、夏は海やビーチを楽しむことができます。秋と冬も、それぞれに美しいです。

 最後に観光情報です。「石島赤山景勝地」は、山東省の威海市の近くです。威海市までは飛行機や列車など、交通機関はたくさんあります。ベストシーズンは4月から11月まで。なお、景勝地に入るときに、入場料80元が必要となります。

 「今週のワンポイント」。今日は、山東省の観光名所・石島赤山景勝地をご紹介しました。

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