海南島は中国最南端にある島で、1998年海南省に昇格しました。三亜市は海南島の最南端にあり、中国最南端の都市であると同時に中国で唯一の熱帯リゾート観光都市でもあります。北半球の国々で大雪が降っている時でも、三亜市では暖かな日差しが降り注いでいます。ハワイや、タイのプーケット島と同じように一年中暖かいことから、世界各地からの観光客が多くここを訪れます。

　三亜には有名な南山寺があります。寺の境内は鐘の音が響き、荘厳な雰囲気です。また、ここには清の時代に作られた「天涯海角」という石碑が建っています。「天涯海角」とは「この世の果て」という意味で、まさにここは中国最南端です。石碑の前で記念写真を撮るのもよいでしょう。このほか、海に潜ったり、海南島の少数民族「リ族」の作った伝統工芸品を買うのも楽しみです。また、夜になると、海辺の飲食店やバーなどは多くの人でにぎわいます。お酒を飲んで、ほかの客と一緒に盛り上がるのもよいでしょう。

　蟹などの海鮮料理に舌鼓を打ちながら、ビールを飲んだり、おしゃべりを楽しんだりする人々の姿を、海辺のバーでよく見かけます。中国のほかの都市にあるバーと違って、三亜のバーは外国人がとても多く、まるで外国にいる感じがします。バーの店員はほとんど英語やロシア語などの外国語が話せるそうです。

　ロシア人観光客のナガさんは、中国各地を旅してきましたが、ここ数年は、毎年三亜を訪れています。その理由について、ナガさんは次のように話しました。

　「日が暮れたあとも、私は遊びに出かけるんです。バーに行ったり、海辺を散歩したりします。ホテルに戻るのは夜の12時、時々は翌日の3時ごろになります。ここは交通機関が便利だし、ロシアよりいいところがいっぱいあります。治安もいいですし、安心しています」

　ここ数年、三亜での療養滞在がブームとなっています。世界の複数の環境保護団体が世界45ヶ国・158都市を対象に行った調査によりますと、三亜の空気の質は、キューバーのハバナに次いで2番目でした。これが、療養ブームの理由ではないかと思います。上海からやってきた周さんは、奥さんと一緒に1ヶ月ぐらい療養滞在しました。ここでの療養の効果について、周さんは次のように語りました。

　「ここに来て、もう40日間ぐらいになります。妻は喘息、高血圧などの持病があるんですが、三亜に来て血圧がすぐ下がりました。ここは空気がきれいで、高齢者の療養にとてもいいところです」

　中国人のほか、三亜には外国人の療養者も多く見られます。彼らは、中国の伝統的な漢方療法が気に入っているようです。三亜漢方療養院で、ロシア人のイヴァンさんが治療を受けていました。イヴァンさんがここに来るのは2回目です。頸椎病にかかり、ここで治療を受けているのですが、今ではかなり良くなったようです。

　「夏の間は仕事で忙しいので、ここに来る時間がありません。でも冬になると暇になるのでここに来ます。頚椎病の治療を受けましたが、効果がすぐに見られて驚きました」

　統計によりますと、2007年三亜を訪れた海外からの観光客数は延べ50万人を超え、2006年に比べて30％以上増えました。観光客の年間増加率で言えば、中国トップとなっています。観光業の発展は、現地のホテル業や不動産業などに好景気をもたらしています。今年4月までに、5つ星ホテルが９軒オープンし、ホテル密集度は北京や上海より高いほどです。また、レジャー・リゾート施設の数も増えています。しかし、まだ観光市場のニーズを満足させてはいない状態です。この現状について、三亜市ホテル業協会の劉凱会長は、次のように述べました。

　「中国経済が急速に発展し、世界の経済状況も改善されている中で、人々の収入が増え、観光方面のニーズが高まっています。三亜市政府や関連企業は、2003年の下半期からホテル業への投資額を増やし、現地の宿泊施設の数や質を改善することで、観光客のみなさんに満足していただけるよう努力しています」

　中国政府の特別許可によって、現在、21ヶ国・地域からの観光客は、三亜市にノービザで出入りすることができます。三亜市の鳳凰国際空港は、定期便のほか、多くのチャーター便を開通しています。海南省観光局の張琦局長は、次のように語りました。

　「海南省、そして三亜には、免税店が置かれているほか、ノービザ入国が出来るなどの優遇措置があります。海南島は、中国でも有名な観光地で、さまざまなレジャーが楽しめるパラダイスです。私は海南省観光局を代表して、皆様のお越しを歓迎します」

　最後に、三亜市の観光情報です。現在、日本を始め、21ヶ国・地域からの観光客は、ノービザで出入りすることができます。日本から行く場合は、今年7月まではチャーター便がありましたが、原油価格の高騰で、廃止となってしまいました。しかし、上海、または広東省の広州経由で三亜市に飛ぶフライトがあります。また、三亜市の気候は年中暑く、いつでも泳ぐことができます。（担当：任春生）