内蒙古自治区は、中国北方の国境線地域に位置し、美しい草原と独特な少数民族の風俗を有しており、多くの宗教がここで共存しています。
大召寺は、内蒙古自治区の省都フフホト市の旧跡に位置し、モンゴル語で「イクジョ」と呼ばれ、大きいお寺を意味しています。大召寺は1580年、明の時代に立てられたもので、本堂で銀色のお釈迦様の仏像を祭っていることから、「銀仏寺」とも呼ばれています。大召寺で収蔵されている多くの文物は、モンゴル族の歴史と宗教文化を研究する上での貴重なデータです。
大召寺の建築様式は、漢民族のお寺の構造を採用し、その敷地面積は3万平方メートル、建築面積は8000平方メートルに達しています。主な建築物は、山門、天王殿、菩提過殿、九間楼、経堂、仏殿などといった仏教の伝統的な建物があり、そのうち、経堂と仏殿がつながっていることで、本堂となっています。本堂は、大召寺野中で唯一の漢民族とチベット族の宗教文化を融合させた建物です。前殿、経堂と仏殿からなっており、仏殿の真ん中に高さ2メートル余りの銀色の仏像が祭られています。このため、大召寺は、「銀仏寺」とも呼ばれています。仏像の前には、竜の彫刻が巻いている「通天柱」があり、その左と右には、ラマ教の創始者ーツォンガバとダライ3世、ダライ4世の銅像が祭られています。大召寺の文物の中で、銀色の仏像、竜の彫刻と壁画が一番有名で、「大召寺3大神技」と称えられています。
大召寺には、「チャーム」踊りという伝統的な仏教イベントがあります。すなわち、民間でよく伝わっている「魔よけ踊り」で、魔よけや、豊作と幸福を祈ることなどの意味があります。毎年旧暦のお正月と6月、大召寺は、大規模な「チャーム」踊りを行います。その時、僧侶たちは、特別な服装と仮面で神様の格好をして、ラッパや銅鑼などの伴奏に乗って踊ります。
ここ数年、内蒙古自治区政府は、巨額な資金を投入し、大召寺に対する修繕工事を行い、お寺周辺の倒壊寸前の住宅や店舗を取り壊し、大召寺の昔の容貌を再現しました。大召寺の西側の明清風俗街は、昔の家屋の建築様式を保っており、よく時代劇のロケ地に選ばれます。ここの骨董品や銅器などの細工も非常に有名です。
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