「世界の屋根」と呼ばれる青海チベット高原の東北部にある青海湖は、中国最大の内陸塩湖です。その周りには、大通山、日月山、青海南山が聳えており、非常に美しいところです。あそこにはプルジェワルスキーガゼルという動物が生息しています。
全身は黄褐色で、お尻には一面白い斑点、尻尾は褐色で、胸、腹、四つの足の内側は白い動物です。オスには一対の長い角があります。湖周辺の草原に生息して、群れで行動します。中国特有の野生動物として、もともと内蒙古や、甘粛、寧夏、新疆ウィグル自治区、青海などに広く分布していましたが、現在は青海湖の周辺地域でしか見られません。
ここ数年の保護を通じて、数が増えつつあります。しかし、独特な種として地球で長く生存していくためには、その数はまだまだ少ないのです。つまり、絶滅の危機に瀕しています。この問題は、中国政府と国際社会からの注目を集めています。そのため、中国国家一級保護動物にランクされています。そして、保護のために、青海省の関係部門は一連の措置を講じています。これについて、青海省野生動物自然保護区管理局の高静宇局長は「現在、われわれは関係部門の共同管理や保護プロジェクトを行っている。絶えず努力したことにより、生息環境が改善されており、プルジェワルスキーガゼルの数は1980年代の200頭余りから現在の400頭余りに増えてきた」と紹介しました。
プルジェワルスキーガゼルは非常にすばしこい動物で、怯えたら、お尻の白い毛がすぐ立ちます。それによって、仲間に危険のメッセージを伝えます。だから、見に行くときは必ず事前に望遠鏡を用意したほうがいいです。そして、脅威感を与えないために、絶対車で追いかけないでください。すばしこいといっても、プルジェワルスキーガゼルは人間味を持っています。人間に馴れる、環境になったら、いつも人のそばにいて、甘えたりします。青海湖地区では、牧畜民とプルジェワルスキーガゼルの物語が多くあります。
ハイエン県黄草村に暮らしている朱生福夫婦がプルジェワルスキーガゼルを飼育した物語はよく知られています。2006年5月のある夕方、ヒツジの放牧が終わって、家に帰る朱生福さんは、気息奄々とした小さいプルジェワルスキーガゼルを見つけました。朱さんは、すぐ抱いて、急いで家に帰りました。生まれたばかりなので、ミルクで飼育しなければなりません。朱さん夫婦は毎日市場へ牛乳を買いに行くことにしました。プルジェワルスキーガゼルは見る見るうちに、大きくなってきました。そして、朱さん夫婦とプルジェワルスキーガゼルの間に深い絆が出来ました。特に、奥さんがどこに行っても、必ずついて行きます。ある日、8千元を出し、プルジェワルスキーガゼルを買いたい人が朱さんの家を訪ねましたが、夫婦二人はきっぱりと断りました。プルジェワルスキーガゼルを早く大自然に戻し、その仲間のそばに帰らせるため、最後に夫婦はプルジェワルスキーガゼルを動物保護部門に渡しました。
地元の牧畜民がやさしい心を持って守っています。でも、彼らの力だけでは、絶対足りません。プルジェワルスキーガゼルを長く地球で生息させていくためには、一人一人の力が必要です。
青海湖へのアクセス:
青海湖景観区は高原の湖を主として、草原や、雪山、砂漠などの景観が楽しめるところです。青海省省都の西寧から青海湖への列車があります。また、ドライブが好きな方は、西寧で車を借り、自分で運転して行く事が出来ます。なお、旅行社の青海湖の一日コースに参加することが出来ます。そのコースの費用は一人で70元から100元ぐらいです。
|