少林寺は洛陽市の南13キロの河南省嵩山という山麓一帯にあります。2年ほど前までは、バスで片道4時間ほどかかったのですが、昨年から洛陽から高速道路が完成し、タクシーを利用すれば50分で結ばれまました。
少林寺は歴史を遡りますと、北魏孝文帝太和19年(紀元495年)に建立され、中国の禅宗の発祥地でもあります。
少林寺といえば日本では、「少林寺拳法」発祥の地として高い知名度持っています。中国古来の拳法は、「南拳」「北拳」という言い方があります。「南拳」は湖北省にある武当山の拳法を指し、「北拳」の発祥地が洛陽の少林寺を源流としています。
少林寺寺の住職の話によりますと、中国の拳法カンフーは、古来、身を護る手段として僧侶たちが習い始め、日本では少林寺拳法としてよく知られている「少林拳」が基礎でした。これは唐の太宗の時、僧曇宗ら13人が太宗皇帝のボディーガード、身の安全を護る役目を果たし、その功績で少林拳の名声が全国に響き、北拳の正統な元祖となったと言うことです。
少林寺は1980年代初めに大ヒットさせた映画「少林寺」で一気に知られるようになりました。今では年間百万人以上の観光客が訪れる名所となり、その収入源は、観光、カンフーの実演、イベントなど多角経営ですよ。少林寺の一年間の観光入場料収入は1500万元(約2億2500万円)に達したということです。このほか傘下には、「少林実業」という会社があって、少林寺ブランドでお茶、お菓子、薬品などを販売。さらに出版社や武術学校なども間接的に経営しており、総収入は公表されていないが、中国一の金持ち寺院です。
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