「ショル」という地名はチベット語です。漢字では「雪城」と表記しています。「ショル」という言葉は、チベット語で「下」という意味があります。つまり、ポタラ宮の下にあるから、「ショル」という地名がついたわけです。この「ショル」と発音が良く似ているため、漢字表記では「雪」という字が当てられたようです。この一帯は海抜が高く、冬になると一面雪に覆われます。その風景にふさわしい当て字だと思います。
「ショル」はポタラ宮に連なり、ポタラ宮と同じぐらい古い歴史を持った村です。村の面積はおよそ5万平方メートル、チベット地方政府のかつての庁舎や貴族の邸宅、庶民の住居などが点在しています。
「ショル」の村は、昨年2007年に開放されたばかりです。国内外から大勢の観光客が訪れるようになったのは昨年からです。しかし、今では毎日、入場ゲートには行列ができ、大変な賑わいなのだそうです。
また、見学だけではなく、チベット族の手工芸品や「唐卡(タンカ=チベットやその周辺地域で作られている、布に描かれた仏教画)、そして、泥人形などのお土産を買うこともできます。また、ハダカムギから作られる「青稞(チンクー)」というお酒の工場の見学も人気だそうです。
観光で歩き疲れたら、「チャンツァン」という居酒屋で一休みするのがいいです。この居酒屋は17世紀後半、ポタラ宮の再建工事を行った際に建てられたそうです。店内では、「青稞(チンクー)」の醸造過程が展示されているほか、チベットのおつまみなどを食べながら、民族音楽のショーを楽しむことができます。
ポタラ宮のふもとの村「ショル」を歩けば、ポタラ宮観光だけでは分からないチベットの魅力が存分に味わえます。地理的にもポタラ宮にとても近いので、便利だと思います。村への入場料は30元、日本円でおよそ500円です。また、村では現在、「チベット概況展」「チベット地方貨幣展」「チベット建築展」「ポダラ宮保護修復展」「チベット書道展」「チベット文房具展」といった6つの展示が行われています。ぜひあわせてお楽しみください。
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