勤め人にとって、昼ごはんをどうするかは悩みのタネ。日本ならそば、うどん、どんぶり物、コンビニの弁当、喫茶店のコーヒーセットと多彩なメニューが目に浮かびます。では、北京の日本人はどうしているのでしょう。
中国系企業の場合、大人数のところでは社員食堂を備えているところがあります。しかし、長安街や建国門、国貿といった北京中心部のビルのオフィスの人は外食せざるを得ません。でも、選択の幅はそんなに広くありません。毎日、中華系では飽きてしまい、日本料理が恋しいという人がかなりいます。
有名ホテルには日本食コーナーがあります。また夜だけ営業していた日本料理店が、ランチタイムを設けて客の呼び込みをしています。しかし、ホテルなら100元くらい(1元は約16円)、そうでなくても60元くらいはかかり、結構高い。しかも、てんぷら定食や刺身定食ばかりでは、これまた飽きがきてしまう。
こんな折、北京に救世主が現れた。「おふくろの味」を売り物にお昼時だけやっている店がある、という話を耳にしたので早速出かけてみました、。建国門に近いとあるマンションの一室。インターホンを押して部屋に辿り着くと、5つのテーブルはすでに満席。この日のメニューは、コロッケ定食、鶏飯定食、肉じゃが定食、焼きうどん。これが総て25 元。
毎日、11時にオープン、品切れとなったところで閉店だそうです。店主の女性によると、「おいしく、安いものを日本人に振舞いたい。20種類くらいのメニューが用意できます。ただ、今は正式な許可をとっていないので、身内の人に食事を出す、という形です」とのこと。NHKの料理コンクール番組で入賞したこともあり、腕には自信がりあます。ご主人は日系の団体に勤務しています。
こんにゃく、里芋、ロールキャベツなど日本人好みの食材や調味料が北京で入手しやすくなっているのも好都合だそうです。さらに、「コシヒカリ」や「ヒトメぼれ」などの日本米も入ってくるようになりました。
こうした店が北京でも増えてきそうな予感がします。ただ、今回の「おふくろの部屋」の場所を詳しく紹介できないのが残念です。
(吉田 めい)
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