金融大街の風景
世界各地には、「金融街」と呼ばれる金融の中心地があります。ウオール街(ニューヨーク証券取引所周辺)やシティー(ロンドン証券取引所周辺)・・・日本だと東京の日本橋兜町でしょうか。
もちろん、北京にも「金融街」があります。北京市中心部のやや西より、「復興門」の北側にのびる大通り。その名も「金融大街(JINRONG DAJIE)」です。
資料によると、中国証券監督管理委員会や北京産権交易所などの公的金融機関のほか、中国トップ企業100社の実に70%がここに本部を置いているそうです。また、中国金融資産総額の半分以上が集中しており、毎日100億元(日本円で約1600億円)の資本流動があるのだとか。
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大手企業が続々進出 |
ショッピングモールも建設中 |
北京産権交易所 |
・・・正直、北京で普通に暮らしていると、なかなか訪れる機会のない場所です。いや、きっとこの先も訪れる機会はないと思っていました。
ところが先日、偶然この付近のレストランで食事をする機会がありました。北京に暮らす者としては、一度見ておいてもいいのでは。そんなこんなで、「金融大街」を歩いてきました。
なるほど、見事なまでのオフィス街でした。「中国工商銀行」「中国移動通信(CHINA MOBILE)」「中国網通」「中国人寿保険」・・・・銀行・証券・保険・通信などの名だたる企業があちらこちらに。訪れたのは夕方6時ごろだったのですが、街は家路を急ぐビジネスマンたちであふれていました。躍動する中国経済を動かしている人たちですね!パソコンバッグを肩に、携帯電話で何やら話しながら闊歩。しかし、ビジネスマンと言っても格好は比較的ラフで、ノーネクタイはもちろん、Tシャツ姿の人も。スーツをパリッと着こなした典型的ビジネスマンはほぼ皆無。中国社会ではもともとクールビズといいますか、そのあたり極めてラフな傾向がありますが、「金融大街」もやはり同様のようです(ちょっぴりホッとしました)。
その「金融大街」をまっすぐ北へ歩くと、目の前に巨大なホテルが現れました。「う、ウェスティンホテルだ・・・!」
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ウェスティンホテル |
中国移動通信のビル |
そうです、世界の一流ホテル「ウェスティン」が、2006年にオープンさせた「ウェスティン北京ファイナンシャルストリート(北京金融街威斯汀大酒店)」です!どさくさにまぎれて、ホテル内を見学してみました。中央ロビーは吹き抜けになっていて、ピアノの弾き語りが楽しめるバーラウンジが。そして、白と茶を基調とした、モダンで上品なインテリア。中華やイタリアンのレストランのほか、スパやトレーニングジムも完備・・・素敵です。
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ビジネスマンたちが闊歩 |
緑地帯も多く設けられている |
聞けば、この一帯には、ほかにも「リッツ・カールトン」や「インターコンチネンタル」など有名ホテルが続々進出しているそう。「なぜ金融街にホテル?」と思ったのですが、よく考えると、ここは地下鉄「復興門」から歩いて5分。北京を代表する観光地「天安門」や「故宮博物院」、また「王府井」や「西単」といったショッピングエリアにもほどよく近いのです。さらに近年、北京市政府もこの地区の発展計画に力を入れており、緑化公園やグルメストリート、ショッピングセンター、アパートメントなどの建設が相次いでいます。単なる「金融街」として機能するだけではなく、観光客のみなさんにも楽しめるエリアに発展していきそうな予感がします。
次回北京にいらっしゃるときは、新しい北京の顔とも言える「金融大街」を訪れてみてはいかがでしょうか?(文/写真 末永由希)
金融大街アクセス・・・地下鉄1号線「復興門」駅下車すぐ
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