中国国際放送局紹介 日本語部紹介
Home
北京最新引越し事情(下)
   2007-07-12 15:34:28    cri

窓からの風景

 さて家探しは、契約も済んでいよいよ引越しへ。不動産屋が知っている引越し屋さんに200元(3200円)で頼みました。ダンボールは、幸い日本語部が職場を移動するに当って廃棄するものがあったので、それを利用。しかし、それはそれとして運送屋さんが、ダンボールが必要かどうか、荷物の量はどのくらいかを知るために、一度は見に来るかと思っていたのですが、一向に連絡がない。引越し直前に不動産屋の若者に、「一度見に来てくれるように運送屋に頼んでくださいな」と言ったところ、運送屋からの返事は「ノー」でした。200元という安さでは、そこまでの料金は入っていないということでしょう。幸いやって来たワゴン車には、少し余裕が残る程度に荷物を積み込む事が出来て出発。不動産屋の若者が手伝いに来てくれたこともあって、あっという間に引越しは終わってしまいました。

派出所

 外国人の場合、引越しをした後に真っ先にしなければならない大事な事は、住居の近くの派出所に大家さんと一緒に行き、住所変更の手続きをすること。私はパスポートと専門家証を持ち、大家さんは身分証明書(中国では、国民総背番号制はすでに導入されており、国民一人ひとりに番号がついている)と不動産の登記証を持っていきます。中国に来てから初めての警察署訪問でしたが、窓口の婦警さんは、スーパーの店員より応対が親切でした。

ガスメーター

 これまで住んでいた友誼賓館の専門家用アパートは、毎朝、魔法瓶にいれたお湯は持ってきてくれるし、掃除もしてくれ、光熱費などは放送局が直接支払いをしてくれていました。自分ですることと言えば、ネット代や電話代などをフロントで支払うだけです。しかし一般の住居となると、全て自分でやらなければなりません。幸い光熱費の支払い方法は、私の場合、プリベイトカード方式(比較的新しいマンションでは、この方式が多いようだ)になっていて、大家さんがかなりの額を事前に振り込んでくれており、出る時に清算すれば良いと聞き、ホッとひと息。

机とパソコン

 インターネットは、団地内にLANがあったので、大家さんの名義で加入してもらい、半年分を前払い。業者の人が接続用ソフトをインストールしてくれて順調にスタートしたのですが、翌日、操作ミスで早速ネットに繋がらない事態が発生。LAN会社に電話を掛けて担当の人に来て貰おうとするのだが、会社の方は電話だけで済ませたいようで、中国語で説明を始める。そんな中国語の内容が分かる訳はありません。有料でもいいから来てくれと頼んで、やっと来てもらって直してもらう。結局は無料で対応してくれましたが、そんなことも、ひと仕事となります。この他、掃除のおばさんを週に1回頼むことにしました。1時間10元(160円)という安さ。中国のお手伝いさんは、近頃報酬が値上がりしたという話を良く聞きますが、まだまだ安く、料理を頼んだり育児を頼んだりしようと思えば、それも出来るようで大変便利な存在です。

65元の自転車

 買い物に行くために自転車が欲しくなり、道端で自転車修理をしているオジサンに「中古自転車はない?」と聞くと、「ちょっと店番をしてくれ」と言うなり、姿を消し、5分ほどしたら中古自転車を押して戻ってきました。65元(1000円)という安さです。こうした所で買う自転車は、盗品の可能性がないとは言えないようですが、「これは盗品ではないでしょうね」と念を押したとしても、オジサンは「当たり前だよ」と答えるに決まっていますから、野暮な事は聞かずに購入。中国の交通事情を見ていると、自転車に乗るには一大決心が必要だと思って、これまで買うのを躊躇してきました。しかし実際に乗って見ると、大きな道路には必ず自転車専用レーンがあるので、交差点で十分に気をつければ、思っていたほど危険ではなさそう。

トイレまで溢れるお湯

 引越しで最大の問題となったのは、家探しの最低条件にしたお風呂のことでした。2300元(3万7000円)もした木製の風呂桶を設置。ところが、シャワー用に設置されている電気の温水器では、容量が小さいので、一度に入れることの出来るお湯の量は、折角買った風呂桶の三分の一程度にしか達しない。またお湯を沸かすのに、時間も掛かる。もうひとつの問題は、風呂場の排水能力が弱いこと。シャワーだと問題はなかったのでしょうが、風呂桶にいれた三分の一程度のお湯を流しても、お湯は排水口からあふれ、下手をすると部屋まで流れ込むのではないかと心配するほどでした。

 このため暫らくの間は、休日には、風呂桶に三分の一しかないお湯の中に浸かるだけ(その時には電気温水器のお湯は使い切っているので、体を洗うお湯がないのです!)。そして10時半頃帰宅した夜勤の時には、風呂桶の中に入ってシャワーだけで済ますという、我ながら思わず噴き出しそうな状態が続きました。

取り付けた蛇口

 もともとこのマンションには天然ガスの温水器が設置されていて、風呂場にも配管は来ているのですが、「天然ガスより電気代の方が安い」という中国のエネルギー事情により、大家さんは電気温水器を取り付けたようです。自腹覚悟で、大家さんに実情を伝えて改善をお願いしたところ、まめな大家さんはガス温水器の配管からお湯を取り出すための蛇口を買ってきて、自ら電気ドリルを使って接続してくれました。排水の方も、排水口の器具を買い換えてくれて多少は改善されました。

 これでやっと「肩まで浸かって風呂に入ること」が実現したのです。しかしその後も風呂桶のお湯を一度に流すと、トイレ一面に溜まり、暫らくはトイレが使えなくなるという状態が続いています。色々気を使ってくれる大家さんにこれ以上の注文は付ける訳には行かないので、お湯を排水する時は何回かに分け、またゴムのサンダルを購入して、水が溜まっている状態でもトイレを使えるようにしています。日本の風呂文化と中国のシャワー文化(と言っても北方だけかも知れませんが)の違いを身を持って体験している所です。

団地の風景

 引越しの締めくくりは、挨拶回りです。大家さんからは「余り付き合いがないので必要ないですよ」と言われ、また同僚の日本人専門家が引越しの挨拶回りをした時には、怪訝そうな表情をされたという話しを聞いていました。しかし、ではどんな反応をするのかを知るためにも、しない訳にはいきません。同じフロアには全部で8世帯が入っています。7つのクッキーを買い、すぐ隣りの家から始めました。隣の方は以前お目にかかった時に、大家さんから紹介されて挨拶を交わしたこともあって、引っ越し祝いも快く受け取ってくれました。順調なスタートでしたが、その後の2軒がいけません。意外な訪問に戸惑いを隠さず、クッキーを受け取ろうとしないのです。「日本の習慣ですからどうぞ受け取って下さい」と言って、無理やり受け取ってもらいましたが、果たして近所づきあいにプラスになったかどうか自信はありません。中国では以前は近所付き合いが盛んで、親戚のような付き合いをするとよく言われていましたが、やはり都市化に従い、団地での付き合いは大きく変化しつつあるようです。却って迷惑を掛けている様な気がしたので、残りの家の挨拶回りは中止。暫らくは、残ったクッキーを一人食べ続ける日が続きそうです。

 (写真、文:中村 治)

トレンドスポット
v 北京最新引越し事情(中) 2007-07-05 12:59:21
v 北京最新引越し事情(上) 2007-06-28 17:22:31
v 迎五輪、王府井でグルメも大変 2007-06-21 15:01:26
v 間違いない「中華」選びならココ! 2007-06-14 16:56:41
v 思わぬところに「隠れ家」レストラン  広州動物園「大盛宴」 2007-06-07 13:57:20
  • 今日のトップニュース
  • 今日の国内ニュース
  • 今日の国際ニュース

  • • 基礎中国語
     皆さんは、ここで中国語と日本語に耳を傾け、フラッシュによる動画を楽しみながら、中国の風習や伝統文化を思う存分味わうことができます……

    • 「北京ワクワク」の購入について
     中国語講座「北京ワクワク」(上巻と下巻)のテキストは、日本の皆さんが初めて中国語会話を学習するための入門編です……
    |  link  |  E-メール  |