新疆は中国の西北部にあります。かつてシルクロードが通り、今も多くの民族が暮らすところです。古くから、ここは中国と中央アジア、西アジア、ヨーロッパを結ぶ交通の要衝でした。
ダフール族は昔から中国東北部の黒龍江流域に住む民族で、18世紀の末、ダフール族の一部の人々が黒龍江省から新疆のタルバガタイ地区に移転し、そこに定住しました。今日の新疆シリーズは新疆に暮らすダフール族の木彫りの名人・コソフタさんをご紹介しましょう。
今年66才のコソフタさんは新疆のタルバガタイ市の木彫り職人の家に生まれ、幼いころからお爺さんについて木彫りの技術を学び、家の机や赤ちゃんの揺りかごなどの生活用品はいずれもコソフタさんが自分で作ったものです。また、コソフタさんの家の木製のドアと窓にも花や鳥、草木、山水などの綺麗な絵柄が彫られ、これらの優れた木工製品からダフール族の伝統文化の独特の魅力が感じられます。
ダフール族の木工製品についてコソフタさんは「昔、鉄鋼製品がまだ珍しい時代、わがダフール族の炊事用具はほとんど木製のものでした。例えば、羊のミルクを温めるときは、まず、ミルクを木製の茶碗にいれ、それからいくつかの赤く焼いた石をミルクの中に入れ、ミルクをまもなく沸かすことができました」
コソフタさんはダフール族の牧畜民のために日用品を作るだけでなく、多くの牧畜用の製品を作りました。部落の中にはコソフタさんが作った馬の鞍を幼い頃から使って育った牧畜民が大勢います。彼の作った鞍は馬の背中にぴったり合いますからみんなに喜ばれています。
ここ数年、政府が少数民族の伝統文化の保護に力を入れていることによって、コソフタさんの伝統的な木彫りの技術がダフール族の伝統文化の一部として重視されるようになりました。
新疆のタルバガタイ市文化宣伝部の李金鈺さんは「コソフタさんはわが市の木彫りの名人です。祖先から受け継いだ木彫り技術は多くの人々に喜ばれています。これらの伝統工芸技は時代から時代へと伝えられ、すでに数百年の歴史があります。われわれはわれわれはこれの伝統工芸技術の継承と発展に更に力をいれます」
|