新疆は中国の西北部にあります。かつてはシルクロードが通り、今も多くの民族が暮らすところです。古くから、ここは中国と中央アジア、西アジア、ヨーロッパを結ぶ交通の要衝でした。毎週この時間はクイズを交えながら、今日の新疆の様子をご紹介します。番組の始めと終わりに、クイズを発表しますので、よくお聴きください。
新疆の中心地・ウルムチ市に住むウィグル族の若者・シルエリ・マムティさんは身体障害者です。学歴は中卒ながら、中国語、トルコ語、ペルシャ語を独学し、現在は翻訳者として活躍しています。
シルエリ・マムティさんは1975年、ウルムチ市の普通の家庭に生まれました。2才の時に病気で足が不自由になり、他の子供のように自由に遊ぶことができなくなりました。その一方で、マムティさんは読書の時間が多くなりました。そのころを振り返って、マムティさんは次のように話しています。「僕は幼い頃から読書が好きでした。ある日、叔母さんがアラビア物語の『千一夜物語』を買ってくれまいた。最初は、物語の内容があまり分りませんでしたが、小学校1年の冬休みに一気に読んだら、すごく感動しました」
マムティさんは「千一夜物語」の豊かな想像力と美しい言葉に深く魅了され、文学に興味を示し始めます。小学校5年のころからウィグル語で詩や散文などを創作し、一部の作品が新聞や雑誌に掲載されるようになりました。
その後、マムティさんはウィグル語だけでなく、中国語の文学作品のウィグル語翻訳に取り組みはじめます。しかし、マムティさんは中国語の一部を適切に翻訳することができませんでした。またどちらかと言うと、ウィグル語はトルコ語に通じるところが多いと思うようになりました。マムティさんはトルコ語を勉強しようと決心しました。1999年から2年間にわたってトルコ語を学び、その後、ペルシャ語も勉強しました。
マムティさんの妹・ウルグリ・マムティさんは次のように話しています。
「幼いから、兄は勤勉だと思っていました。周りの先生や友達はみんな「お兄さんは素晴らしい青年だ」と言ってくれました。兄はわが家族の誇りです」
今、マムティさんは素晴らしい翻訳者として活躍しています。
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