新疆は中国の西北部にあります。かつてシルクロードが通り、多くの民族が集まり住むエキゾチックなところです。古くから、ここは中国と中央アジア、西アジア、ヨーロッパを結ぶ交通の要衝でした。
今年83歳のイミン・トゥルソンさんはウィグル族の詩人で学者でもあり、翻訳者でもあります。トゥルソンさんの出身地は新疆ウィグル自治区の中心地・ウルムチ市です。伝統職人の家に生まれたトゥルソンさんは6歳からイスラム教の寄宿学校に入り、アラビア語、ペルシャ語、中国語を学び、言語と文学に強い興味を示し始めました。1951年、新疆人民出版社が創設された後、若干27歳のトゥルソンさんは優れた言語能力で出版社編集翻訳部の部長を勤めました。出版社を勤めた30数年間にトゥルソンさんはたくさんの著作を翻訳し、また、中国の四大古典名作の一つである「紅樓夢」のウィグル語の翻訳を担当しました。
では、クイズです。
イミン・トゥルソンさんは中国の四大古典名作の一つである「紅樓夢」を何語に翻訳しましたか?
「紅樓夢」は中国古典小説の傑作中の傑作で、このような思想性と芸術性を兼備した優秀作品を翻訳するには、漢学や自民族の言語学の面で十分な素養が必要です。この名作をウイグル語に見事に翻訳できるのかと疑う人もいました。イミン・トゥルソンさんはこの作品の翻訳のために心血を潅ぎ、数年にわたる努力を経て、ウィグル語版の「紅樓夢」がようやく出版されました。本の出版までを振り返って、トゥルソンさんは「ウイグル族の文学作品の中には「紅樓夢」のような古典の名作はとても少ないです。この作品に描かれている社会背景と人物関係は非常に複雑で、翻訳も相当難しいです。翻訳する時、私は原文の芸術性をできるだけ保ちながら、ウイグル族の読者が親しめるようにします。こうしてこそ、読者に漢族の歴史文化、風俗習慣それに言語芸術などを楽しんでもらうことができると思う」
ウイグル語版の「紅樓夢」は社会各界の好評を博しました。ウイグル族の読者・アジェルグリさんは「この本を手に入れて、私はとてもうれしいです。「紅樓夢」は中国古典小説の傑作で、中国の清の時代の社会生活を生き生きと描いています。このウイグル語版の「紅樓夢」は本当に素晴らしい作品です」
この外、イミン・トゥルソンさんは多くの詩集、文学作品を翻訳しました。一部の作品は新疆大学の教科書として採用されています。今、トゥルソンさんは若手の教育に力を入れ、若者たちが秀れた伝統文化を継承していくことを望んでいます。
では、クイズ繰り返します。
イミン・トゥルソンさんは中国の四大古典名作の一つである「紅樓夢」を何語に翻訳しましたか?
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北京放送・中国国際放送局日本語部「新疆シリーズ」係です。
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