バスはけっこう広い駐車場へ入って行った、さすが有名な観光名所だけあって、かなりのバスや乗用車が止まっている。早速我々も降りて、見学に出掛けた。相変わらずお土産店が並んでいるが反対側に大きな展示館が建っていた。観光客もけっこう日本の団体御一行様といった感じ。中に入ると砂岩で出来た断崖に無数に洞窟があるのが見えてきた。
ここで莫高窟についての説明をしてみよう。「砂漠の大画廊」とも称される莫高窟は、敦煌の鳴砂山の断崖に開鑿されていて、4世紀半ばに始まり約1000年間も彫り続けられ、約1,000の石窟があったとされていたが、現在は492窟が保存されていて、仏教芸術の集大成である。
第96窟の前で記念撮影をしたあと、各石窟を見に行く。ベゼクリク千仏洞と違って保存状態も良く、仏教芸術の極みだ。ゆっくり見たかったが、とにかく満員電車並みの混雑でありうるさいし、とても鑑賞するどころじゃない。3箇所ほど見て歩いたが、何か素晴らしい物を見たという感じがしなかった。改めて来なければだめだ。
昔大同の雲崗、洛陽の龍門に行ったので、中国三大石窟は全て見た訳だ。前2つはゆっくり見られたが、残念である。とにかく中国人の見学者が多い、このことは裏を返せば20年の間にそれだけの余裕は出てきたってことかな?しかし手鼻はかむし、食べ物のカスは散らかし放題だし、本当には良くなってないんだろうか?そんなことを思いながら、夕食を取る為に市内へと向かった。
食事を取った後最後の観光へと行った、鳴砂山と月牙泉である。そこには砂礫が堆積して出来た60mぐらいの高さの砂丘が遥かにうねっていた。しかし何処にでもあるような土産物屋が軒を並べている。ラクダが数十頭いて観光客を月牙泉まで乗せて行くらしい、我々ツアー一行も殆どが乗っていくが、ガイドと私、他2人は観覧車で向かった。先に着いたので本当に砂が鳴るのか試したが、この砂ではだめなことが判った、余り珪砂がないので大量でないとだめである。ガイドに聞いてみたらやはり風か何かで大量に滑らないと鳴らないとのことだった。月牙泉を見に行ったが余りの小ささに途中で戻ってきてしまった。まあ砂漠の中にあるのだから、それだけ貴重かもしれないが、娘は砂山に上り、帰りは砂滑降をしてハシャイでいた。
時間も8時過ぎてやっと暮れてきたので、ホテルへと戻った。敦煌全体の感じとしては、余りにも観光地化されてしまって、今一ってとこだった。日本人が余りにも大勢押しかけるものだから、20年前には1週間に1日しか飛行機が飛ばなかった秘境だったのに。
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