このほど、第2回「優れた10人の母親」表彰会が北京で行われ、新疆ウイグル自治区に住むウイグル族のレイハン・カシームさんもその一人に選ばれました。この10年間、レイハンさんは貧困家庭生まれの子供を1000人あまりを援助していて、「熱心なお母さん」と呼ばれています。
では、クイズです。ウイグル族のレイハンさんは、どのような賞に選ばれましたか。
レイハンさんが受賞したことを聞いて、家族や友人、そして援助された子供たちがウイグル語の歌で、「親愛なる母親」という歌を歌い出しました。「お母さん、お母さん、親愛なるお母さん、話したいことがあります。お母さんは私たちが最も尊敬する人、最も親愛なる人??」という意味の内容です。

今年68歳のレイハンさんは、新疆石油学院の副教授でした。定年後、老後の生活を楽しむことにしていました。ある出来事から、チャリティー事業に関わることに、心を決めたのです。1995年のある日、レイハンさんが市場で野菜などの買い物をしているとき、子供の泣き声が伝わってきました。見ると、数人の大人が二人の子供を叱っているところでした。周りの人に尋ねてみると、この二人の子供がお金を盗んだことが分かり、この子たちを家に連れて帰りました。

レイハンさんは、この二人の子供に清潔な衣服に着替えさせ、ご飯を食べさせました。食事の後、子供たちは口を開こうとしなかったため、レイハンさんは熱心に話しかけました。しばらくすると、子供たちはやっと本当のことを話すようになりました。家が貧しくて、学校に行けなくなった上、食べものもなくなったために仕方なく盗みをしてしまったということです。これを聞いて、レイハンさんは、涙が止まらず、子供たちも泣き出してしまいました。レイハンさんは、「その夜は、よく眠れませんでした。いろいろなことが思い浮かんできました。自分は一人の母親として、子供たちをみんな独立させましたが、この二人の子供を見てなんにも言えなくなりました。これから勉強させて、2度と前と同じ思いをさせたくないと思いました。世の中には学校に行けずに、浮浪している子供がまだ一杯います。これらの子供は盗みをしたり、問題を起こしたりしています。また、他の人から関心を持たれず、母親の温もりもあまり感じていない場合が多いのです。母親として、こうした子供たちに温もりを与える責任を感じました」と語りました。
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