今年の「第三回全国少数民族芸能大会」は北京で行われました。4600人あまりの少数民族が全国各地から集まり、音楽、舞踊、演劇、民間芸能などを披露しました。新疆代表団が披露した演目、「陽光溢れる新疆」は、一度に13もの賞を獲得しました。  

　新疆には多くの少数民族が暮らしています。これらの少数民族はそれぞれが優れた文化と芸術を持っており、これらをより詳しく知ってもらうため、「陽光溢れる新疆」を作った製作チームは新疆の各地をめぐり歩いて、内容を厳選しました。「陽光溢れる新疆」のテーマが決まってから、30人の優秀な演じ手からなる創作チームが作られました。地域、民族、オリジナリティーなど、鮮明な個性のあるものを打ち出すことにしました。総監督のトルスーンさんは、「この出しものは、新疆ウイグル自治区が創設されて50周年を記念する祝典での公演を元に作りました。少数民族が多く住む新疆の特徴を表現するのに力を入れました」と語りました。

　「陽光溢れる新疆」の構成は、西域の風情や天山の情感など五つの部分からなっています。舞台のデザインには現代的な感覚が生かされています。照明、背景、舞台設計、衣装、振り付け、舞踊などを通じて、新疆の各少数民族の暮らし、伝説、伝統的節句行事、結婚習俗などが表されました。公演は情熱的な子太鼓踊りから始まり、テンポの速い舞踊で貫かれていました。

　第一幕では、新疆の独特な風情が表されています。歌や、ダンス、詩歌の朗誦などを通じて、ウイグル族の芸術の宝と言われている「ムカム」が披露されました。ここでは、大自然の美しさ、愛、そして閏しい生活が謳われていました。第二幕では、新疆の広大な大地が育んだ各少数民族の情感を表現しました。第三幕では、タジキスタンの舞踊によって、この高原民族が持つ愛への崇拝や、独特な愛の表し方を表現しました。ロシア族、シボ族、ダフール族、ウズベキスタン族、タタル族などの舞踊、そして、カザフスタンの少女の愛に憧れる初々しさ、回族の母親の優しさなども表されました。この部分を担当するカドイル監督は、「最もエッセンスとなるものを見せたいと思いました。プログラムを構成するときは、各民族の最も純朴で、リアルなものを取り入れました。それらを元に、中身を膨らませました。これらのエッセンスこそプログラムの大きな支えになったと思います。さらに、新疆の典型的な民族音楽を流すことにしました。これによって、北京でも純粋な新疆の歌とダンスを十分楽しむことができた思います」と紹介しました。

　出演者たちが鮮やかな衣装を纏って、自由奔放なメロディに乗って踊る中で、新疆の少数民族の生き生きとした生活の場面が表わされました。観客は、新疆の人たちの豪放な心、純粋な性格に感動し、熱く燃えあがりました。演目が終った後は、拍手が鳴り止みませんでした。この公演は、優秀プログラム賞、優秀出演賞などを含めて合わせて１３の賞を獲得しました。このことが分かった時、メンバーたちは興奮を抑えられず、落ち着くまでしばらく時間がかかりました。総監督のツルス?ンさんは、「この機会を、私たち新疆舞踊団にくれた自治区政府に感謝します。政府は資金面や政策面で援助し、多くの困難を解決してくれました。また、このチームには優秀な製作者と出演者のほか、ベテランの監督も参加しています。みんな同じ目標を目指して頑張ってきました。公演はすべてうまく行きました」と述べました。

　公演を順調に行なうのは、簡単なことではありませんでした。150人あまりの出演者の多くはムスリム教徒であるため、食事はすべて新疆の北京事務所から運ばれました。弁当が届くのにいつも2時間ぐらいかかりました。トレーニングのため、時には食事をとる暇もありませんでした。二つの卵とパン一つで済ませることもよくありました。

　「優秀出演賞」を獲得したイブライムさんは国家一級俳優です。彼女は毎回毎回の舞台に真剣な態度で臨んできました。年齢が高いため、今度の公演が最後になります。今回の公演が、よい成績を収めたことで、もう何の心残りもないと満足げに話しました。「私は自分の仕事が大好きです。一人の舞踊家として舞台を離れたくありませんが、もう年です。今回は私にとって最後のチャンスとして、とても貴重でした。相手の経験を学ぶつもりで来たのですが、『優秀出演賞』になるとは、思いも寄りませんでした。感動しました」