これらの貴重な化石を採集するため、周さんは、想像もつかないような苦労もしました。ロプノールの神秘に、数多くの探検家がひきつけられたように、周さんも強く引き付けられました。1990年代、一人でロプノールの近くにあるローラン古城に行ったのです。見渡す限り果てがない砂漠を前に、周さんは、近くの農家で買った数本の胡瓜と水だけを持って出発しました。人気のないこの地で、周さんは、古い城や城壁を眼にし、その迫力に感動しました。珍しい化石も沢山見つかりました。けれども、帰る途中、命が危ないような危険な目に遭いました。これについて周さん、「川岸から飛び降りたら、砂に埋まりました。あっという間に胸まで沈みました。砂漠を歩いた後だったので、喉が渇いてたまりませんでした。気を落ち着かせてから、ここから抜け出せば生きることができ、さもなければ死ぬしかないと思いました。もし、風が吹き出せば、頭まで埋まってしまい、見つかりようがありません。そこで、回りにある木の枝を掴もうとしました。しかし、7,8本も根ごとに抜けてしまいました。これで残りの最後の一本も抜けてしまったら、もうおしまいだと思いました。そこで、撮影バッグをまず出して木の枝に投げ、かけるようにしました。片手でそのストラップを掴み、片手で木の根を掴むようにしました。こうしてやっと這い出すことができたのです」と紹介しました。死ぬような思いまでしたロプノールでの経験によって、周さんは、大昔の陶器、磁器の断片、容器、銭などを手に入れました。
チベット自治区も人をひきつけるところです。周さんは、幼いときからチベットへ行く夢を持っていました。専門の登山装備も持たないまま、一人で世界最高峰のチョモランマに登り、海抜およそ6000メートルのところで法螺貝の化石を発見しました。
あまり広くない周さんの家は、今、こうした化石で埋まっています。趣味に没頭している周さんのことについて、奥さんは、「彼のことを支えます。彼が好きでやっていることは、止められません。家事は一切、彼に頼みません。年を取ったら、やはり趣味が必要だと思います。彼が作った展示館も手伝っています。年だし、一人で全部やるのは、大変ですから。部屋は寝るところさえあればいいです」と語りました。
5年前、周さんは個人の化石展示館を建てました。ここには、国内だけでなく、海外からもお客さんが訪れています。このほか、大学で講演も行い、センセーションを巻き起こしました。
「学生のために、有意義なことをしたいです。教科書で習ったものについて、私のところへ来て実物を見れば、よりいっそう勉強になると思います」と述べました。
では、クイズを繰り返します。現在、周鳳彩さんが集めた化石は何千個でしょうか。
|