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新疆石炭田消防隊の物語
   2007-01-19 15:07:16    cri
 新疆ウイグル自治区は石炭資源が豊かで、その埋蔵量は1兆8千億トンに上ると推測されています。これは、全国の埋蔵量の半分近くを占めています。しかし、この地方の石炭は、烈しく燃えることになって、その豊かな資源に陰りを落としており、自然環境や資源利用などの面でも大きな損失をもたらしています。そんな中で、この歴史も変わりつつあります。それは新疆炭田消防隊が活躍しているからです。

 では、クイズを出します。新疆では、どの部門が炭田火災の消防を担当していますか。

 統計データによりますと、1980年代、新疆にある88箇所の石炭採掘場所のうち、半分近くで火災が発生し、1700万トンの石炭が焼けてしまいました。焼けた原因の、一つは露出した炭層が高温環境にさらされ、自然発火してしまうからです。二つ目の原因は、長期間にわたって小型炭鉱による不正な採掘が続いていることです。これらの炭鉱は防火措置が不十分な上、炭鉱が燃え出すと、経営者は新たな炭鉱に移り、新たな採掘を始めます。これによって悪循環が生まれ、より多くの炭田が燃えてしまっています。また、高温で乾燥した気候もある程度火災を悪化させています。火災は貴重な石炭を燃やし、経済損失をもたらしました。さらに、大量の有害ガスと酸性アルカリ性化合物を発生させ、大気汚染や酸性雨をもたらしています。また、大気のオゾン層が破壊され、人々は呼吸系の病気にかかりやすくなっています。

 こうしたことを防ぐため、1958年、新疆では史上初の炭田消防隊を立ち上げました。40年あまりの経験から、この消防隊はコストの低い消火方法をまとめました。これについて新疆炭田消防隊第2チームの杜新江隊長は、「まずブルドーザーで火を分割してしまいます。それから、爆薬を使って石を爆裂させます。これによって、発火点を見つけます。その場所は長さが数十メートルから数百メートルまであります。最後に、黄土を被せ、空気を遮断します」と述べました。

 消火には大量の水が必要ですが、水は草木が生えない炭田区でもっとも足りないものです。消防隊員は工事技術者とともに、水源を見つけ、井戸を掘る作業も行っています。水を引くために取り付ける、数百キログラムの道具を皆で背負って山を越えたり、十数キロを歩いたりしなければなりません。また、消火するときに、隊員たちは水を注いで温度を下げるため、掘削し、黄土をかぶせるまで、すべての消火手順を遂行します。これによって、コストは大幅に削減され、重大な被災地にかける費用は2400万元と、ほかの国の三分の一にとどまっています。新疆炭田消防隊の成功経験は、多くの外国の消防専門家から評価され、研修に来る外国人もますます増えています。

 このような成功体験の裏には、消防隊員の大きな苦労があります。消火活動は荒地で行われるため、困難を極めると同時に、危険も伴っています。炭田火災の発生地を転々と移動することになりますが、一箇所で数年かかる場合が多いです。長年、山奥で活動している消防隊員にては、苦労だけでなく、寂しさもあります。たまには、数十時間の作業中に、一度も声がかけられないこともあります。隊員の杜さんは、「われわれがいるところはゴビ砂漠で、人は住んでいません。携帯電話も通じません。固定電話が取り付けられた場所に着くと、電話をかける列ができます。私のチームは20人近くいます」と紹介しました。

 しかし、鎮静化させた火災を見て、隊員たちの心から誇りが湧き出ます。第二チームの任世雲副隊長は、「私たちと先輩たちが頑張らないと、石炭資源が無駄になります。今後これらの資源を利用することができなくなります。どの仕事も奉仕する人が必要です。国の石炭資源を守るため、この仕事に携わることを光栄だと思っています」と語りました。

これまで、新疆炭田の火災発生地区では、至る所に巨大な穴があり、勢いの強い火の手が上がっていました。ところによっては火の手が2メートルまで伸びています。火災地区が広がるにつれて、大量の樹木や牧草地帯が枯れてしまいます。こうした場所は、今、二代の消防隊員の努力を経て、緑や命が蘇ってきました。かつて火の燃え広がった炭田は、草木が茂り、牛や羊が悠々と餌を食べています。今年76歳の羊飼い、陳国旺さんは、草地で胡坐をかぎ、のんびりとタバコを吸っています。陳さんは、昔のことを、「火災地区から3キロ離れたところでもその熱さが伝わり、至るところで大きな穴が開いて、煙がもうもうとしていた」と振り返りました。そうした場所が、今は、青空や白い雲が見え、大地も緑いっぱいになっていると、感無量の様子です。

 では、クイズを繰り返します。新疆では、どの部門が炭田火災の消防を担当していますか。回答をお待ちしています。

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北京市石景山路甲16号

中国国際放送局日本語部「新疆シリーズ」係りです

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