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新疆少数民族女性の手芸生活
   2006-11-10 13:50:15    cri

          

 新疆は中国の西北部にあります。シルクロードの故郷で、多くの民族が集まり住むエキゾチックなところです。古くから、ここは、中国と中央アジア、西アジア、ヨーロッパを結ぶ交通の要衝でした。 

 新疆で暮らしている少数民族の間では古くから手工芸が盛んです。その種類は豊富で、製作技法も優れています。手工芸には刺繍、民族衣装、陶器、楽器、玉石、編み物などがあり、いずれもエキゾチックな印象を与えることから、世界中に名を馳せています。今、多くの新疆の少数民族の女性がこれらの手工芸の製作に携わっており、多くの魅力的な作品を作り出しています。

 カシュ市は新疆の西側にあり、ウズベキスタンとの国境に近い町です。この町はシルクロードにある古い町として知られていて、古くからウイグル族が集まり住んでいます。ここのウイグル族女性は伝統手工芸や農牧業で、長い間重要な役割を果たしてきました。特に、陶器作りには女性の手が欠かせません。これは女性が男性と共同で製作するのです。陶器作りは1千年以上続いていますが、男性が形を作り、女性はうわぐすりを塗る仕事を受け持つという役割分担が続いてきました。

         

 手を洗うときに使われる陶器の壷は、カシュ市で作られる陶器の代表的なものと言われています。この壷の不思議なところは、両側にそれぞれ五つの穴が開いていることです。五つの穴は互いに通じあっているように見えますが、実はそれぞれふさがっています。壷に水を入れる場合、これらの穴から水がこぼれることはなく、口からしかでません。この不思議な壷の製作は、カシュ地区の職人カウ?リさんの先祖から伝わったものです。それについて、カウ?リさんは、「この技をマスターするのはなかなか難しいものです。九つの技術がある上、家族の人にしか教えないからです。壷の両側にある五つの穴は、壷の形ができてから指で突付いて作るものです。それから乾かして、うわぐすりを塗り、焼きます。五つの穴が開いていても水が零れないのは、壷の内側に膜があるからです。表からはこの膜はぜんぜん見えないです。これがこの壷の不思議なところです」と教えました。

 キルギス族は代々パミール高原に住んでいる少数民族です。住んでいるテント、土や木造の家屋では、手作りの刺繍や工芸品がいたるところに飾られ、キルギス族女性の器用さと勤勉さが伺えます。たとえば、タペストリ?、ベッドの周りに飾るたれぎぬ、床に敷かれているじゅうたん、その上に置かれている座布団など、いずれも洗練された刺繍が施されています。

 刺繍の模様には、山の形をアレンジしたもの、飛び散る波のしぶき、群らがる雲、満開の花、青々とした牧草、しなやかな蔓などがあります。

            

 キルギス族の女性ヌリジャマリさんは、もともと教師でした。時間のある時に、刺繍をし、その作品をバザーで売ったりしました。すると、思いがけなく多くの人に喜ばれ、そのうちその製作に追われるようになりました。そこで、教師の仕事を止め、工場を立ち上げました。工場はやがて従業員50人を抱える規模に拡大されました。その製品も、模様がみやびで、色合いのコントラストが強いことから、広く受け入れられ、今では多くの国に輸出されています。今の仕事について、ヌリジャマリさんは、「10歳の時からものを作るのが大好きでした。教師になってからも、暇を利用して細工ものを作り、市場に出しました。多くの人に好かれました。でも、一人で作るのでは速度が遅すぎます。それで、工場を立ち上げることにしました。今商売がますます大きくなって、これから北京の展覧会にも出そうと思っています。できるだけ多くの人たちに私たちの細工を知ってもらいたいです」と、夢を抱いています。

 ここ数年、新疆の蒙古族の民族衣装・パオそしてウイグル族のシルク・エテレスなどが、多くの工芸品コンクールに出品されたり、商談会に出品されたりしています。カシュ市に住むウイグル族の女性ツスナイさんは、鮮やかなエテレスでウェディングドレスを作る第1人者です。伝統的な生地を近代的な技術で縫製したウェディングドレスは、ウイグル族の若者の間で人気が集まっています。

         

 中国人の生活レベルの向上に従って、工芸品市場が活気に溢れています。それは、勤勉で器用な新疆少数民族の女性に、活躍する場を提供し、多くの人々が経済的に豊かになりました。イリのカザフスタン自治州のニレク県は貧しいところでした。しかし、ここ二、三年、ここの女性たちは、伝統的な刺繍を、カザフスタンらしい工芸品作りに生かし、人々に喜ばれています。この県の女性の仕事を担当しているモリタンさんは、「この県は今、二つの民族工芸品生産拠点を持っています。1200人の従業員はすべてカザフスタン族の女性です。女性たちは余暇を利用して工芸品を製作しています。ベテランの年間収入は1万元で、日本円にして15万円ほど、見習いでも年に4,5千元、日本円にして7,8万円もどもらっています」と紹介しました

 新疆に住んでいる少数民族の女性は、祖先から伝えられた民族工芸に独自のものを加え、より多彩なものを作り上げています。そして、自分たちの暮らしもゆとりが生まれるようになりました。

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