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司馬台長城
   2007-01-05 16:50:51    cri

  

 司馬台長城は、北京市東北部の険しい軍事の要衝であった古北口鎮にあります。明の洪武帝の時に建てられた司馬台長城は、当時の長城の様子を今日までそのままの状態で保っています。

 総延長5400メートルの司馬台長城には、敵の攻撃を防御するためのやぐらが35基もあります。精密な構造と独特な形に設計された司馬台長城は、「万里の長城」の多くの特徴を一身に備え、「奇妙な長城」という名を得ています。

   

峻険:

 司馬台長城はうねうねと曲がり、斧で削ったような急な坂に沿って建てられていて、峻険そのものです。特に、「天の梯子」は一面の壁で、一番狭い所の幅は50センチしかなく、両側はすぐ急な崖ですから、その上を歩くにはかなりの勇気が必要です。

 「天の梯子」のはずれには、長さ百メートルで、一個のレンガの40センチほどの幅しかない「天の橋」があります。ここは「すぐ近くにいながら顔を合わすことができない場所」と呼ばれ、「この橋を渡るのは、天に登るより難しい」と言われています。

密集:

 密集したやぐらは司馬台長城のもう一つの特色です。やぐらの平均間隔はだいたい100メートルから200メートルまでで、最短間隔43.8メートル、最長間隔600メートルです。明の時代に建てられた長城のやぐらは平均間隔500メートルが普通ですが、この司馬台長城は例外です。

多種多様な建築様式:

   

 やぐらからののぞき窓の数や階層の数、または内部の構造によってやぐらの建築様式も多種多様です。のぞき窓の数は一個から五個まであり、階層の数も一階から三階まであります。やぐらの内部は空間になっており、レンガだけで造られたもの、レンガと木材を組み合わせたもの、またはレンガと石などの建築材を使って建てられたものがあります。

 東側にある「仙女楼」(お姫様のやぐら)と望京楼(京城を眺めるやぐら)は司馬台長城の特徴を代表するやぐらです。望京楼は司馬台長城の最も高い所にあり、標高986メートルで、レンガと石で築かれた二階建てのやぐらです。ここは、視界が広く、遠くにある北京城の輪郭を遠望することができることから、望京楼という名前を得ました。「虎山」の中腹の木々に隠れて、石の基盤レンガを積んだ構造の仙女楼があります。「仙女楼」は数多くのやぐらの中で一番美しいと言われています。レンガで築かれた二ヶ所のアーチ、三本の歩道と十ヶ所の入り口は、整然としています。天井の真ん中には蜘蛛の巣のような模様をした八角の天井板が飾ってあり、部屋の東西南北にそれぞれ一本の柱があります。この部屋の中では、軽い歌声でも心地よい響きが起こります。また、入り口には一本の茎に並んで咲く2輪のハスの花の模様をした浮き彫りが刻まれています。このように細部にまで気を配った装飾を見ると、このやぐらは戦争のために築かれた防御施設ではなく、神殿と勘違いしやすいほどです。

精密な構造

 司馬台長城の城壁は、攻撃と防御の二重機能を備えています。「小さな天の梯子」では、垂直方向に20メートルの落差があっても、城壁の一番上の弓射口から一番下の弓射口まで見通すことができます。これは、明の時代の長城の中でも稀に見るもので、絶賛されるほどの精巧さです。これらの城壁を見学すると、かつて国境を守っていた将兵たちが苦戦しながらも敵を打ち破っていた場面を想像できます。

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