長白山は、東北地方の吉林省にあり、中国と北朝鮮の境に跨り、延辺朝鮮族自治州の安図県と白山市の扶松県の域内に当たります。主峰の白頭山が長年白い石と積雪に覆われているところから、「長白山」という名を得たものです。長白山は満族の発祥地で、清の時代には「聖地」と呼ばれていました。
長白山は1980年に国連の「人と生物圏」という保護ネットワークに加えられ、世界的に注目される自然と生態環境の保護が最も完備された保留地の一つとなっています。
黒風口
長白山の北側の坂に凹型に窪んだ所があり、長年砂が舞い上がり石が転がりるほどの大風が荒れ狂うことから、黒風口という名が付けられたのです。人間なら立つどころか腹ばいにならないと進めないほどの強い風です。しかし、ここからは長白滝の全貌を見下ろすことができることから、「黒風口に登るかどうか」は観光客がよく自分に問いかける問題です。
温泉
長白山は地熱資源が豊かで、北側の1000平米に及ぶ山麓には何十ヶ所もの温泉が散在しています。お湯の深さとミネラル成分の違いでこれらの温泉は黄金色、水色、赤と緑など鮮やかな色を呈しています。冬になると、ここは湯気に包まれていますが、一歩離れれば雪に覆われ、奇抜な景色が見られます。
長白滝
落差が68メートルもある長白滝は、長白山に架けた梯子のように見えます。滝口に「牛飼いの渡り」という巨大な岩石が聳え立って、滝の水流を二本に分けています。二本の水流が玉竜のように深い淵に落ちて、高い波が巻き上げられます。滝の勢いはきわめて盛んで、淵に落ちる音が数キロ離れても聞こえます。千年以上もかけて深さ20メートルにも及ぶ淵が形成されました。
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