新疆は中国の西北部にあります。シルクロードの故郷で、中国では多くの民族が集まり住むエキゾチックなところです。古くから、ここは、中国と中央アジア、西アジア、ヨーロッパを結ぶ交通の要衝です。
新疆ウイグル自治区の天山山脈にある湖・「天池」は、有名な観光地です。ここは風光明媚で、動植物の種類も豊富です。水の流れでできた渓谷・三工河谷は天池観光地への経由地で、この観光地の重要な部分です。三工河谷を管轄する阜康市は、ここを黄金の通路に建設しようと力を入れてきました。現在、ここで暮らしている1000世帯の農牧民は、この事業の恩恵を受け、暮らしが豊かになっています。
さて、三工河谷は、天山山脈にある天池と阜康市を結ぶ通路にあり、長さは約2キロあります。このあたりには、1000世帯の民家があり、観光レジャー村、ショッピング、農家や牧畜を体験できる観光施設などがあります。 観光業の人気が高まるにつれて、天池観光地の重要な部分である三工河谷は、その役割も日増しに際立ってきました。しかし、これまでは、開発や建設が無秩序でした。観光資源を合理的に生かし、黄金通路の建設に全力をあげるため、天池管理委員会は、総合的な整備案を練りました。これによりますと、2004年から、三工河谷は生態保護政策を実施し、ここの住民を周辺に移転させることにしました。これら移転した住民の生産と暮らしを保障するため、管理委員会はおよそ700ヘクタールの牧草地帯を作りました。また、道路を整備すると共に、観光地周辺の環境整備にも巨額の資金を投じました。現在、新しくできた二つのカザフスタン民族風情園区で、観光客は天池の美しい自然のほか、エキゾチックな民族風情も楽しむことができます。民族舞踊、カザフスタンの食事など、農牧民の暮らしなどを体験できます。
今年7月、この新しい民族園区はオープンしました。今年30歳のカザフスタンの女性ウムティ・コリさんは、区内にテントを二つ作りました。このテントは遊牧民が使っている、フェルトで作った天井の丸い「パオ」のようなものです。定職を持たなかったコリさんは、今は満足しているようです。
「民宿の用のテント村を始めの時は、お客さんが少なかったのです。でも、気候が温かくなるにつれて、お客さんが増えてきました。お客さんのために、現場で『手つまみご飯』???(お握りのような)など民族色のあるものを作ります。羊を使って民族料理を作る過程を見せたたりして、お客さんを満足させられます」
同じカザフスタン族のツフラ・タスチクさんは長女です。兄弟の世話をするため、高校を卒業した1990年から、宿泊所と食堂などを経営しています。最初のお客さんが来たときは、ぼろぼろのテント、汚い台所を見て、お客はすぐ帰ってしまいました。しかし、今は設備が整い、お客さんもだんだん増えているとのことです。
「以前は、宿泊の環境がよくなかったのです。テレビも無かったです。自分でさえ家のぬくもりを感じませんでした。今は、テントの中では、台所とベッドルームは別々に分かれています。とても良くなりました」
もう一人の経営者・マルズヤさんは、これまで天池周辺でテント旅館を経営していました。
「ここは美しくて豊かなところです。長い間、経営を続けてきました。昔の営業は簡単で、山で適当な場所を選んで自分でテントを張って、お客さんを泊めました。でも、総合的な企画を立ててから、われわれの経営もその計画に従ってやっています。この風情園区のインフラは改善されたため、お客さんがどんどん訪れるようになり、私たちの収入も増えています」
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