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中国の中部に位置する河南省は中国古代文明発祥の地の一つで、多くの歴史文化遺産があります。河南省で出土した文化財の数は中国で最も多いです。
70年前に建てられた河南博物館は河南省鄭州市にあります。博物館の中心建築物は中国で現存する最古の天文台の遺跡を模したものです。博物館にある収蔵品は130万点、中国全国の博物館の収蔵品の数のおよそ八分の一に相当します。収蔵品の文化的価値から見れば、中国の各博物館では、故宮博物院がトップで、次は河南博物館だと言われています。
その代表的なものは、権利と地位のシンボルとされた青銅器です。青銅器は銅を原材料に、少し錫と鉛を加えて、鋳造した器です。宴会に出させる食器や祭礼に使う器や道具はほとんど青銅器だったのです。中国では4000年前から、その精錬技術と鋳造技術があって、青銅器の文化的価値は万里の長城に劣らりません。河南省はそもそも青銅器時代の政治経済の中心だったので、多くの青銅器が出土されました。
河南博物館の収蔵品で一番の宝物「王孫誥甬鐘」は2500前に造られた青銅製の大きな打楽器です。昔、祭祀や宴会には甬鐘は欠かせないものです。この打楽器は昔ある王の子孫が、父親を記念するために鋳造したものだそうです。この一群の鐘は当時ありがたく、無傷で出土したのです。全部で26個で、最も大きいのは152.8キロ、一番小さいのは2.8キロです。この打楽器は七つの音階があり、現代の各種メロディーが演奏できます。これまで発見された春秋時代で最も大きく、最も音域の広い打楽器です。
もう一つの貴重文化財は「蓮鶴方壺」という、わずか12センチの壺です。この壺は小さいですが、当時では最も巧妙に作られた青銅器だとされています。壺の上の部分は二層の蓮の花びらに囲まれて、真ん中に今でも飛びたちそうな鶴が立っています。壺には龍や各種可愛い小動物の模様が刻まれています。その価値はデザインの特徴にあります。初期の青銅器は威厳を示すために、恐怖感を与えるような模様がほとんどでしたが、この壺の模様は活気が溢れて、人々の向上心を引き出すようなもので、歴史の背景が見られます。
博物館には「中国第一剣」と呼ばれる「銅心鉄剣」という剣もあります。この剣は2800年前のもので、これまで発見された鉄を精錬して造られた実物の中で、最も古いものです。その出土は考古学会も驚いたのです。これの剣の柄(つか)の中は銅で、玉石で包まれています。剣の本体は鉄で造られたものです。柄と剣体の繋げる部分には、ターコイズが嵌められています。
さらに、ここにはこれまで発見された最も古い龍の図案と楽器「七孔骨笛」もあります。
龍の図案はあるお墓から発見された貝殻でできたもので、今からおよそ6500前のものだと言われています。それで、お墓は中国の神話にある人類の始祖伏羲か、中華民族の先祖黄帝のものではないかと推定した人もいました。
「七孔骨笛」という楽器は鷹など大きな鳥の足の骨で作られたものです。これまで8000年の歴史があると言われています。笛の長さは22センチで、現在でも曲を奏でることができます。
河南博物館では、展示品を見学するだけではなく、正真正銘の古代音楽も堪能できます。博物館では「王孫誥甬鐘」や「七孔骨笛」など古代の楽器の複製品の演奏もあります。それら楽器から奏でられる音楽を聴きながら、過ぎ去った時代に戻ったような錯覚を覚えます。
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