4月26日、2008年第29回北京オリンピックの聖火リレーの(1)トーチが発表されました。(2)「祥雲」と名づけられたこのトーチを、テレビやインターネットで見ましたが、下の部分がやや細身の筒状の形をしています。上の部分には、躍動的なシンボルマークがプリントされていますが、一見して地味な印象でした。でも、少しカーブした側面や両側を巻いて合わせた跡を表した(3)裏側を見て、感じがすっかり変わりました。
紙を筒状に巻いたイメージで、上下二つの部分に分かれています。下の部分は真っ赤な色で、上の部分は銀色の地にたくさんの赤い模様がデザインされていました。この赤い色は、およそ2000年前に栄えた漢の時代の(4)漆絵によく見られる赤で、図柄は雲の形をアレンジしたものでした。
トーチの形は、紙を筒状に巻いたものからヒントを得たということです。紙が、中国古代の羅針盤、火薬、紙、印刷術の(5)四大発明の一つである上、今も情報を伝える重要な役割を果たしていることから、デザインに生かしたものでした。トーチは、紙が両端から真ん中に巻いた様子を表しています。上から見ると、その口は 雲の断面図になり、渦状になっています。雲の形は、中国では古くから縁起が良く、めでたいものとされる「祥雲」で、建物、彫刻、陶磁器、家具などによく使われています。
2008年5月4日から8月8日にかけて、世界各地の22の都市と中国の113の町を走り抜けるこのトーチは、世界中の人々に、オリンピック精神とともに、めでたいメッセージも送ることになります。
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