第63回国連総会の特別会議が、30日ニューヨークの国連本部で、開かれました。席上、各国の代表と経済学者らが、世界中に広がっている金融危機、特に、現行の金融システムをいかに改革していくのか、討論を行いました。
国連総会の開幕式では、ブロックマン議長は、「世界の金融システムの根本的改革を行うべきだ。それによりようやく金融危機で失った自信を取り戻すことができる」と呼びかけ、「これをきっかけに、国際社会はより長期的な対応措置を講じるべきだ。いかに銀行を守るか、信用市場を安定させ投資の保障をするかといった目先の問題にとどまるべきではない」と訴えました。
ブロックマン議長は、「現行の国際金融システムは、経済のグローバリゼーションと相互依存性を反映していない。金融危機の解決のために、民主的な手続きを通じて、あらゆる国が参加できる新しいシステムを作るべきだ」と強調しました。
ノーベル経済学賞受賞者、前世界銀行上級副総裁、経済学者のスティグリッツ氏は、「金融危機に対応するためには、四つのルールに従うべきだ」と強調しました。それは、公正と社会団結を守ること、国際的な協力を守ること、政府と市場の間にバランスを保つこと、手続きの作成の透明性と公正を守ることです。
また、スティグリッツ氏は、「国際金融システム内の政策策定の際には、より広範な政治合法性を持つ国際機構に頼るべきだ。しかも、この機構は、中所得国や後発(こうはつ)開発途上国に十分な発言力を与えるべきだ。国連こそが、そのような広範な代表性を持った合法的な国際機構だ」と語りました。
会議の出席者は、国際金融システム改革について、検討を行いました。EUを代表してフランスの代表は、「今回の危機を今までの類似した状況と考えてはいけない。新たな国際監督管理システムを作り、影響を受ける国が参加し責任を負うことができるよう考えるべきだ」と語りました。
77ヵ国のグループと中国を代表して発言したアンティグア・バーブーダの代表は、「金融危機の解決に力を入れると同時に、鈍化(どんか)している経済発展をいかに救うのかを重視すべきだ」としています。
会議の出席者らは、現行の金融市場監督管理システムに不満を示しています。発展途上国は、発展の需要を満たすことができる保障と支持の土台(どだい)を作るべきだと主張しています。多くの国の代表は、国連が新しい金融システムを作るべきだと指摘しました。
また、各国の代表は、「全世界の発展と経済の運営に関して、少数の国の著名大学の専門家や教授に限ってはいけない。中国や、インド、メキシコ、韓国、ブラジル、アルゼンチンなどの国々の学者を参加させるべきだ。金融危機の解決に関して、各国の専門家の意見を聞くべきだ」と主張しています。(翻訳:李軼豪)
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