2日間にわたって開かれていたASEM第7回首脳会議が25日北京で閉幕しました。国際金融問題は今回の会議の重点議題となり、会議に参加した各加盟国の首脳は、金融危機が世界やアジア、欧州地域の経済にもたらした影響について深く検討したうえで、直ちに対策をとり、世界経済の成長を促進することで同意しました。また、「ASEM第7回首脳会議の国際金融情勢に関する声明」を採択し、金融危機への対応と呼びかけを行いました。
今回の会議は国際金融危機が発生した中で開かれたもので、中国は首脳会議の主催国として、会議の議題をただちに、国際経済と金融情勢を首脳会議の主要議題にしました。また、各加盟国との協調を強め、アジア・欧州の共同の危機対応を推進しました。中国の温家宝首相は24日午後に開かれた首脳会議第1回全体会議を主宰した際、次のように述べました。「今回の議題は国際金融情勢を討議することである。われわれが国際金融問題を主要議題にしたのは、これは現在、世界で最も注目されている問題で、アジアと欧州諸国の利益に関わる問題でもあるからだ。現在の金融危機は史上稀に見る深刻な危機である。関係国と組織は対策を講じ、いち早く成果を収めることを希望している。国際金融市場の安定を維持し、世界経済の成長を促進する上で、アジアと欧州の存在は重要であり、世界に自信や協力を示さなければならない」と温家宝首相は述べました。
会議では、国際金融情勢に関する声明を発表し、「参加各国は、この拡大し続けている金融危機は世界経済、特にアジアと欧州諸国の金融市場の安定や経済発展に対して大きな問題となっていることで意見の一致を見た。フランスのサルコジ大統領は、この課題に対してASEM諸国が共に努力して対応するよう次のように呼びかけました。「アジと欧州で世界の3分の2の人口と半分の富を占めている。アジアと欧州が共にこうした課題に対応できるかどうかが大きな問題になる。共に協力することはわれわれにとって一つの選択ではなく、任務だと思う。欧州にとって、アジアの経済成長や頭脳と創造力が必要である一方、アジアにとっても欧州の技術や経験と安定が必要である」とサルコジ大統領は述べました。
国際金融情勢の声明はまた、「各国政府は即時に有効な措置を講じて、当面の金融危機に対応すべきである。来月15日ワシントンで開かれる金融危機をめぐる国際サミットを支援するため、加盟各国の指導者が、国際通貨と金融体制に対して、効果的かつ全面的な改革を行うと決意した」としています。
ところで、この声明は世界の金融市場を安定させる上でどんな役割を果たしたのでしょうか?これについて、中国現代国際関係研究院世界経済研究所の陳鳳英所長は次のように述べています。「この声明は少なくとも三つのメッセージを伝えた。一つ目は、国際金融情勢と今後の発展の方向は全世界が注目すべきものであり、また、アジアと欧州の間には協力が必要であるということ。二つ目は、今回の金融危機は世界経済にどのような影響を及ぼしたか、特に新興国家や後発発展途上国に及ぼす影響に対して、分析を行ったということ。三つ目は、今後の金融体制の改革について方向性を示しているということである」世界経済研究所の陳鳳英所長はこのように述べました。
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