アメリカのヒル国務次官補は核問題をめぐる協議のために、9月30日ソウルに到着、10月1日から朝鮮を訪れ、その後、中国と日本を訪問する予定です。
9月29日、アメリカ国務省のウッド副報道官は「われわれは朝鮮による寧辺(ニョンビョン)核施設の復旧と再稼動に大きな関心を寄せている。ヒル次官補の朝鮮訪問は核放棄に向けたプロセスを軌道に戻す目的がある」と述べました。
ソウルに到着したヒル国務次官補は「朝鮮に行って、核計画の検証体制を受け入れられるか、確認したい」と述べました。
韓国メディアによりますと、ヒル国務次官補は6カ国協議朝鮮首席代表の金桂冠(キム・ゲガン)外務次官と会談し、テロ支援国家指定解除と核計画申告書の検証について協議する予定だということです。
6カ国協議の合意に基づいて、朝鮮は去年11月から寧辺(ニョンビョン)にある核施設の無能力化作業を開始し、今年6月26日、その核開発計画の申告書を提出しました。
これを受け、アメリカは朝鮮に対するテロ支援国家への指定を45日以内に解除すると表明しました。
しかし、8月11日、アメリカ政府は朝鮮が核開発計画の申告内容に対する検証案に合意するまではテロ支援国指定解除に踏み切らないとの立場を明らかにしました。
これに対し、朝鮮は8月26日、寧辺(ニョンビョン)核施設の無能力化作業を停止し、9月19日、核施設の復旧を宣言、その後、核施設処理場の封印と監視カメラを解除し、IAEAに対し再稼動の方針を通告しました。
韓国メディアは「朝鮮はテロ支援国家指定解除と核計画申告の検証についてアメリカに圧力を加えている」としました。
アメリカは検証体制に合意することをテロ支援国指定解除の前提条件としています。
朝鮮側は「アメリカの立場は6カ国協議の合意に合致しない。朝鮮は6カ国協議の枠内で核開発計画の申告書を提出した。これに応じて、アメリカはテロ支援国指定を解除すべきである」としています。
ヒル国務次官補は6カ国協議の合意履行で去年6月と12月、2回朝鮮を訪問し、難局打開に成功しました。
3回目の朝鮮訪問に応じ、ヒル国務次官補はソウルで「アメリカはテロ支援国指定解除を含め、核放棄に向けた第2段階の義務を履行したい」と述べました。(ジョウ)
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