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朝鮮、IAEAの代表団を招請
   2007-06-17 13:50:53    cri

 朝鮮原子力総局のイ・ジェソン(李済善)局長は16日、IAEA・国際原子力機関のエルバラダイ事務局長に書簡を送り、ニョンビョン(寧辺)核施設の稼動停止への査察や監督の手順などについて協議しあうため、IAEA代表団の朝鮮訪問を招請しました。これについて世論は、これは朝鮮半島の核問題をめぐる六ヶ国が採択した「合意文書」で定められた初期段階措置の実施に希望をもたらしたとしています。

 朝鮮中央通信の報道によりますと、イ・ジェソン局長はこの書簡で、「朝鮮はすでに、マカオのバンコ・デルタ・アジアに凍結された資金移転問題が最終段階に入っていることを確認した。このことから、IAEAの代表団の朝鮮訪問を招聘することを決めた。代表団の訪問期間中、朝鮮は2.13合意文書に基づき、代表団と、ニョンビョン核施設の稼動停止に対する査察や監督の手順などついて協議する」としています。

 この日、六ヶ国協議に参加したアメリカ代表団の団長を務めるヒル国務次官補は、マカオのバンコ・デルタ・アジアに凍結された朝鮮の2500万ドルの資金はすでにロシアに移転され、遅くとも今月18日には朝鮮の口座に振り込まれると述べ、さらに、来月始めに、六カ国協議は再開されると信じているとの見解を示しました。

 しかし、IAEAのエブレンセル報道官は、この日、「IAEAはまだ朝鮮からの招聘状を受けとっていない」と述べました。

 ところで、朝鮮の資金問題は、この数年、朝鮮半島の核問題をめぐる六ヵ国協議が進展を遂げる上で主な障害となっています。2005年の9月、アメリカ財務省は、朝鮮がマカオにあるバンコ・デルタ・アジアの口座を利用して、マネーロンダリングやドルの偽造を行っていると指摘し、この銀行との取引を中止するようアメリカの金融機構に求めました。これを受けて、バンコ・デルタ・アジアは、朝鮮との取引を中止し、2500万ドルの朝鮮の預金を凍結したものです。これに対して朝鮮は、アメリカの非難を無視し、朝鮮に対する金融制裁の解除を主張し続け、六ヵ国協議へのボイコットを一年間あまりも続けました。そし2006年の10月に、初の核実験を行ったのです。

 その後、アメリカの立場がいくらか変わり、また国際社会の圧力の下で、朝鮮は六ヶ国協議に復帰しました。そして、今年の2月13日の六ヶ国協議の第3回会議で、参加六ヶ国は朝鮮の核施設稼動停止のための「初期段階の措置」という合意文書を採択しました。これには60日以内に、朝鮮がニョンビョン核施設を閉鎖すること、IAEAの査察チームが朝鮮に再び入ること、関係各国が朝鮮に重油5万トン相当のエネルギーを送り、第一陣の緊急エネルギー援助とすることなどが盛り込まれています。

 さて、朝鮮がIAEA代表団を招聘するということに、アメリカと韓国は歓迎の意を表しました。アメリカ・ホワイトハウスのスタンゼル報道官は、これは「意義のある一歩だ」と評価した上で、「これからは六各国協議で採択された『2.13』合意文書を踏まえて、朝鮮半島の非核化を実現させていくことを希望する」と述べました。

 韓国の六ヵ国協議参加代表団のチョン・ヨンウ(千英宇)団長は、これはよい消息だと評価し、「韓国は、朝鮮とIAEA代表団との協議内容に注目している。そして、2・13合意文書に定められた義務の履行に備え、朝鮮に第一陣の重油5万トン相当のエネルギーを提供する」と明らかにしました。一方、韓国の外交通商省の高官は、「韓国は、朝鮮の資金が来週完全に朝鮮の口座に振り込まれたことを確認し、そのときの朝鮮の態度や動きを見極める」と述べました。(翻訳 朱丹陽)

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