アメリカ国務省のケーシー副報道官は5日、ワシントンで「アメリカの原子力専門家チームがすでに朝鮮に到着し、朝鮮はニョンビョンの核施設の無能力化作業を始めた」と明らかにしました。
ニョンビョン核施設の無能力化作業は、6ヵ国協議で10月3日に達成した「共同声明の第2段階措置の実施」という合意文書の規定によって行われるものです。この文書によって、朝鮮は今年12月31日までに、5000キロワットの黒鉛減速炉、放射科学研究所、核燃料加工施設の無能力化を終わらせると共に、全部の核計画を報告する一方、アメリカは専門家チームを派遣し、無能力化の具体的な措置を提示し、最終的に6ヵ国協議代表の承認を得ることになっています。
先月、アメリカ専門家チーム2組が前後して朝鮮を訪問し、無能力化の具体的な措置について朝鮮側と協議しました。今月1日、アメリカ国務省朝鮮部のソン・キム部長が率いる第3陣の専門家チームが朝鮮入りし、無能力化の関連作業が始まりました。キム部長は朝鮮入りを前に、北京で「専門家チームは、設備の取り外しや一部の設備の減らすことなどの作業を手順を踏んで行っていく」と明らかにしました。報道によりますと、6ヵ国協議に参加した代表たちは先週頻繁に接触を行い、無能力化の具体的な措置について意見を交換したということです。また、韓国の通信社、聯合ニュースによりますと、6ヵ国協議の各国代表はニョンビョンの3つの主な核施設で11項目の無能力化作業を行うことに同意したとのことです。
6ヵ国協議が2月13日に達成した『共同声明の開始段階行動の実施』という合意文書によって、朝鮮は7月にニョンビョンの核施設を閉鎖しました。しかし、専門家は「技術面から見れば、核施設の閉鎖は単に政治的な意味合いを持つ象徴的な行動にすぎない」と見ています。
朝鮮核施設の無能力化は第2段階の核廃棄の措置で、朝鮮半島非核化プロセスの重要な一環です。核施設の無能力化の目的は、核施設が短期間に再稼動することを防止することにあります。
朝鮮は、6ヵ国協議の関連文書の行動原則を履行に基づく行動によって無能力化の承諾を履行しています。文書によりますと、朝鮮は核施設の無能力化を実施します。それを受けて、関係各方面は朝鮮に100万トンの重油に相当する経済、エネルギー、および人道主義的な支援を提供することになります。現在、朝鮮はすでに10万トンの重油の支援を得ました。同時に、アメリカは、朝鮮の行動に基づいて、朝鮮のテロ支援国家指定を解除し、朝鮮に対する『敵国貿易法』の適用を終わらせることになります。現在、6ヵ国協議の経済エネルギー協力作業グループの第三回会議が韓国で行われています。各方面は、次の段階の朝鮮に対する支援を重点的に討議し、多くの共通認識を得ています。
6ヵ国協議の代表団の代表らは先週、それぞれの二国間の接触でも次の段階の作業について協議しました。世論は、「核施設の無能力化と核計画の報告が終了しても、まだ完全な核廃棄ではない。今後、核施設の解体や廃棄、朝鮮の核廃棄の過程での補償と核査察、特に、核兵器とプルトニウムなどをすでに保有していると朝鮮が宣言した問題に直面している。こうした問題を解決するためには各方面が真剣に自らの承諾を履行し、バランスよく全面的に第2段階の行動を実施することが求められる」と見ています。
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