アメリカ・ニューヨーク裁判所は20日、イギリスの銀行大手バークレイズがアメリカ証券大手リーマン・ブラザーズの中核業務を買収することを認める裁決を下しました。取引額は13億5000万ドルに達する見込みです。
報道によりますと、買収後、バークレイズはニューヨークのマンハッタンに位置する10億ドル相当のリーマン・ブラザーズの本部ビルを取得するほか、9000人余りの元従業員の再雇用に責任を負うことになります。
リーマン・ブラザーズは158年の歴史があり、アメリカで4位の投資銀行で、主な業務は不動産市場に集中しています。しかし、サブプライムローン問題で、不良債権が膨らみ、最近の3カ月余りだけでも損失額は39億ドルに達し、株価も急落しました。買収相手が見つからなかったため、リーマン・ブラザーズは15日に、破産法の適用を申請しました。
経営破たんの発表後、イギリス3位の銀行大手バークレイズがリーマン・ブラザーズと交渉を開始、16日に基本合意に達しました。これにより、バークレイズはリーマン・ブラザーズの北米地域にある投資銀行と資本市場での業務を買収し、従業員も引き取ることになりました。
リーマン・ブラザーズの破たんは世界の金融市場に大きなショックを与え、イギリスの住宅ローン市場の再編をも促しました。バークレイズがリーマン・ブラザーズの中核業務を買収する一方、イギリス最大の住宅ローン大手ハリファックス・スコットランド銀行は経営危機に陥っています。リーマン・ブラザーズの破たんにより、イギリス投資家の不安は高まり、ハリファックス・スコットランド銀行の株価はその後、数日連続して急落しました。18日、ハリファックス・スコットランド銀行はライバルのロイズTBS銀行に買収されることになり、新銀行の住宅ローン市場でのシェアは30パーセント近くに達します。
世論は「リーマン・ブラザーズの破たんはイギリスの金融市場に警鐘を鳴らした」と見ています。イギリスのダーリング財政相は「政府は、イギリスの銀行システムを効果的にコントロールするため、関連する法律を打ち出すことにしている。リーマン・ブラザーズの破たんによる全世界の証券市場への影響は避けられないが、前向きな視点から見れば、イギリスの金融管理機構は管理強化措置を講じるよう促されたといえる」との考えを示しました。また、専門家は「アメリカと比べ、イギリスの金融体制は保守的だ。イギリスの大手銀行の主な業務は伝統的な商業銀行の分野に集中している一方、投資銀行の割合は小さい。たとえ危機が起きたとしても、その影響は限定的だ。同時に、イギリスでは伝統的な銀行と投資銀行の業務に対する金融監督機構の監督・管理は非常に厳しい」と述べています。また、イギリス銀行家協会は「イギリスの銀行は安全かつ健全であり、リーマン・ブラザーズと同じ道を歩むことはないだろう。特に、こうした銀行については、2007年にリスク対応能力を強化するため調整が行われた」と指摘しています。
(翻訳:洋)
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