ロシア・ウラル地方の工業都市ペルミで14日未明、乗客乗員88人が乗っていた国営航空の旅客機が墜落し、全員が死亡しました。ロシアでの旅客機墜落事故としては、この2年間で最大となります。これを受けてロシアのメドベージェフ大統領やプーチン首相は、直ちに犠牲者とその遺族に哀悼や慰問の意を表しました。
墜落したのは、ロシア国営アエロフロート航空の子会社アエロフロート・ノルド航空のボーイング737型旅客機です。現地時間14日午前1時過ぎ、モスクワからウラル地方の工業都市ペルミに向かい、午前3時過ぎに着陸態勢に入ったところ、通信が途絶え、まもなく墜落したということです。ロシア非常事態省によりますと、乗っていた乗客乗員88人が全員死亡し、その中には中国人も1人含まれているということです。また、乗客の中には、ロシア連邦英雄称号を受賞し、在北カフカーズ連邦軍集団の指揮官や大統領顧問などを務めたトロシェフ氏も含まれています。
アエロフロート航空の報道官によりますと、飛行機は、高さ1100メートルの地点で通信が途絶え、墜落した際、住宅地近くの鉄道線路に激突したということです。この事故により、シベリア鉄道の線路や送電線が損傷し、一部の区間で一時、列車の運行が中断しました。また、目撃者の話では、旅客機は空中で炎上し、墜落した際、爆発したということです。
この事故を受けて、ロシアのメドベージェフ大統領は、ただちに、原因究明のための調査委員会を設置し、犠牲者の遺族を支援するよう要求しました。また、アエロフロート航空は、犠牲者1人につきおよそ8万ドルの賠償金を支払うことを発表しました。
事故の原因について、ロシア最高検察庁のバストルイキン捜査委員長は「機械の故障と右翼エンジンの火災が原因とみられる」と述べ、調査委員会を率いるレヴィチン運輸相も「テロ攻撃を受けた様子はなく、機械の故障が原因だ」と確認しました。飛行状況を記録したブラックボックスはすでに回収され、データの解析には3、4週間かかるということです。
一方、ロシアのメディアが事故機の着陸を誘導していた管制官の話として伝えたところによりますと、墜落前の通信で乗員の返事に異常が感じられたということです。管制官は、乗員が管制官の指示や質問に対して自信のなさそうな声で返事をしたり、高度を下げるべきところを急に上げたりしていたと話しています。
現在、ロシア最高検察庁や刑事専門家らが現場に到着し、事故原因の調査を進めています。モスクワとペルミの空港では、善後処理のための委員会を設置し、犠牲者の遺族にさまざまな支援を提供しています。また、今回事故を起こしたアエロフロート・ノルド航空では、すべての便の運航を停止しているということです。(翻訳:鵬)
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