ロシアのメドベージェフ大統領は26日、南オセチアとアブハジアの独立を認める大統領令に署名しました。これに対して西側諸国は強く反発しています。「ロシアは新たな『冷戦』を恐れない」というメドベージェフ大統領の強固な姿勢について、輿論は「ロシアと西側の関係は試練に直面している」としています。
今年2月にコソボが独立を宣言してから、多くのロシア問題専門家は、「その結果は想像できないものになり、その影響は世界に及んで、冷戦後の国際秩序を揺るがすかもしれない」と予言しました。それから半年後、ロシアが南オセチアとアブハジアの独立を承認することによって、南オセチアとアブハジアはコソボと同じように独立国家になりましたが、この過程で、ロシアと西側の立場が変わりました。
輿論は、メドベージェフ大統領がこれほど早く南オセチアとアブハジアの独立を承認したことには深い理由があると見ています。
まず、ロシアはこれまでの膠着状態を打破することによって、南オセチアとアブハジアの問題で主導権を握ろうとしています。グルジアとの軍事衝突後、ロシアは問題解決に当って、グルジア政府との協力を望まなくなりました。また、NATO・北大西洋条約機構、OSCE・欧州安全保障協力機構などの介入によって、紛争地域の情勢はさらに複雑になりました。ロシア問題の専門家は「このような状況の下で、ロシアは南オセチアとアブハジアの問題で西側との争いで主導権を握り、グルジアのNATO加盟を阻止するために非常手段をとろうと考えた」と分析しています。
また、ロシアが南オセチアとアブハジアの独立を認めたことはグルジアとの軍事衝突後に西側から受けた圧力と関係があります。ロシアとグルジアの軍事衝突後、西側国家は「ロシアがグルジアを侵略した」と指摘すると共に、何からの形でロシアに圧力をかけたのです。さらに、アメリカとNATOはロシアが忍耐できる限界を探り続けました。ロシアによる南オセチアとアブハジアの独立承認は西側への打ち返しになる一方、その関係改善の難題を西側に投げることも図ったものだと言えます。
輿論は、「ロシアが南オセチアとアブハジアの独立を認めたことは西側との関係を試練に立たせたが、西側は恐れずにロシアを抑圧・孤立させる策略を進めることができず、ロシアも要領よく西側の意向に背いていくに違いないので、新たな「冷戦」が起こる可能性は小さい」と分析しています。(翻訳:東)
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