多くの命が奪われた四川大地震。被災地では、9月1日の新学期から学校は全面的に再開し、復旧作業は順調に進められています。そんな中、そのすぐ近くでまたしてもマグニチュード6.1の強い地震が発生しました。苦難が多い今年の四川省には、国内だけでなく、海外からも心配や励ましの声が数多く届いています。
8月30日午後発生した地震の震源は中国西南部に位置する四川省の攀枝花市仁和区と凉山イ族自治州会理県が交じり合う場所でした。5月に発生したマグニチュード8の四川大地震の余震ではないかと疑われましたが、それについて、地震専門家の劉傑さんはこのように解釈しています。
「2回の地震の震源地は550キロも離れています。一方、同じ地震帯に位置するものの、断層の形が全く異なることなどから、今回の地震は5月の大地震の余震ではないことが明らかになりました」
3日、民政省と地震局は記者会見を開き、四川省攀枝花地震の救援状況が報告されました。それによりますと、3日までに、地震による死者は38人、怪我人は982人、50万棟の家屋が倒壊し、教育、衛生、交通、水利、通信、電力などのインフラ施設が破壊され、百万人以上の人が被害を受けたということです。
地震発生後、部隊や医療チームなど5万人が速やかに被災地に派遣され救援活動に取り組みました。また、交通、建設専門の救援隊も迅速に現場に出向きました。救援活動について、民政省救済担当の龐陳敏さんはこのように紹介しました。
「被災地では、政府は住民の生活を落ち着かせるため、速やかに食品、飲料水、衣類、布団類、薬品などを大量に調達しました。そのため、物資の供給が確保され、負傷者は早急に治療され、倒壊した家屋が撤去され、インフラの補修などが行われるなど、救援活動は順調に進められました」
また、救援活動の課題について、被災地は少数民族が多い経済の立ち遅れた地域であるため、現地政府と被災者による自力での復旧には限界があり、国や社会の支援が大いに必要となること、倒壊した家屋の数が多く、余震も頻繁に発生しているため、被災地住民のための仮設住宅がかなり不足していること、そして、現地ではすでに秋に入り、気温が低くなり、寒さを防ぐための措置を速やかに講じなければならないことなどの課題が挙げられています。
「被災地の再建はすでに始まっています。テントなど仮設住宅を建設することと普通の住宅を建設することを同時に進めています。また、被災者は親戚の家などに一時的に避難するよう勧めています。とにかく、この冬を無事に過ごすことを念頭に置いています」
9月に入って、北京では朝晩は肌寒くなりました。山奥にある被災地はかなり寒くなっていることでしょう。どうか無事にこの冬を乗り越えてもらいたいと思います。
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