第40回ASEAN経済閣僚会議および関連会議が25日から29日にかけて、シンガポールで開催されています。この会議は、ASEANの一体化を加速し、加盟国の関係を緊密にする場になるといわれています。
ASEAN経済閣僚会議は2年ごとに開催され、10ヶ国の加盟国が輪番で議長国になっています。今回のASEAN経済閣僚会議は、ASEAN自由貿易区域理事会会議とASEAN投資区域理事会会議からなっています。ASEAN10ヶ国の財務相が、会議でASEAN経済一体化と『ASEAN 経済共同体計画』の進捗状況などについて話し合います。
『ASEAN 経済共同体計画』はASEAN加盟国の首脳たちが2007年11月に開催された第13回ASEAN首脳会議で採択したもので、ASEAN経済一体化の全体像を計画する指導的な文書です。この文書は、2015年までにASEAN地域内に統一された市場と生産基地を作り、貨物、サービス、投資および技術者の自由な流通、またより自由な資本往来ができるよう定めています。『ASEAN 経済共同体計画』は、また、ASEAN経済共同体作りに必要な4大要素を決めました。それは、統一された市場と生産基地、競争力のある経済区、バランスよく発展する経済区、世界経済と同調する地域です。
経済閣僚会議と同時に開かれる関連会議では、ASEAN加盟国は、対話パートナーとして、中国、日本、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド、それにアメリカと、自由貿易区問題や経済協力について検討を行う予定です。そのうち、ASEANは中国と『中国・ASEAN自由貿易区投資協議』について話し合います。
中国とASEAN10ヶ国はともに『自由貿易区投資協議』の早期調印を望んでいます。2007年11月、温家宝首相は東アジアサミットに出席した際、協議の交渉を速め、自由貿易区の建設を全面的に推進するよう呼びかけました。今年7月、中国の楊潔チ外務相は第15回ASEAN地域フォーラムに出席した際、ASEANとの協力を強め、中国・ASEAN自由貿易区の建設を全面的に推し進め、年内に『投資協議』を達成したいと呼びかけました。
中国は、投資協議により、中国企業の東南アジアへの進出を奨励することを希望しています。その理由は二つあります。まず、中国・ASEAN自由貿易区を2010年前後に設置できれば、人口から見て世界最大の自由貿易区となり、中国企業に巨大なビジネスチャンスをもたらすはずです。次は、ASEAN地域には数多くの華僑が暮らしており、友好的な隣国関係は、中国企業の投資に便宜を与えるとされています。
ASEANも、投資協議に大きな関心を示しています。ここ数年、急速な経済発展を遂げている中国と協力し、中国の繁栄にもたらされているチャンスを分かち合うことが、より多くの国の共通認識になっています。ASEANは、投資協議により、中国が投資を増やすことを望んでいます。
|