シンガポールで開かれた第15回ASEAN ・東南アジア諸国連合地域フォーラムは24日、「議長声明」を発表し、地域の平和、安全を維持するため、対話と協力を強化するよう呼びかけました。
会議に出席した各国の外相と代表はこの議長声明の中で、ASEAN地域フォーラムが地域の主要な多国間の政治、安全問題でのフォーラムとしての重要性や、ASEANがフォーラムにおいて主導的な役割を果すことへの支持を改めて明らかにすると共に、加盟国が協力を続け、ASEAN地域フォーラム の一段とした発展に寄与するよう呼びかけました。出席者は過去一年、ASEAN地域フォーラム が遂げた重要な進展や、アジア太平洋地域の政治、安全の分野における対話、協力の強化、加盟国間の相互信頼の面で果した役割に満足の意を示しました。また、当面、アジア太平洋地域が直面している安全問題はより複雑で、より多くの分野に関連しているため、今後、フォーラムはより幅広く具体的な協力を進めていくべきだとしています。
会議では、また、災害の救助と防止についても話合いが行われました。出席者は今年発生したミャンマーのサイクロンや中国四川大地震で、多くの死傷者と財産的損失が出たことに関心を寄せると共に、ASEAN人道支援チームがミャンマーの被災者に与えた救援は効果的なものだと見ています。ASEAN地域フォーラム の大部分の加盟国が自然災害を受ける可能性があるため、緊急対策及び災害救援、復興の面で国際機関や国連との協力を強化すると共に、加盟国間で合同訓練、技術支援などの協力を行うべきだと参加者は見ています。参加者はまた、安全分野での協力強化について次の三つの提案を示しました。その一つは、多国間に及ぶ重大な災害に対応するため、地域の災害救援でますます大きな役割を果すようになった軍隊が、合同訓練や情報の共有、民間救援チームとの協力を行う必要があることです。その二は、第14回フォーラムで決まった「フォーラム災害救援協力指導原則」の実施を推進していくと共に、各加盟国の災害救援部門の相互理解と協力を一段と強化して行くことです。その三は、フォーラム の災害救援関係部門は加盟国と協力して、災害救援計画を制定し、民間や軍隊の救援チームをいかに組織するかについて検討することです。出席者はフィリピンとアメリカが提出した「フォーラム合同救援訓練」という提案に賛成しました。
会議では、朝鮮半島の核問題や、南中国海問題についても討議されました。朝鮮の核問題について、出席者は9・19共同声明の実施を支持し、検証によって、朝鮮半島の非核化や国家関係の正常化の実現を支持することを改めて明らかにしました。2007年10月4日、朝鮮と韓国はピョンヤンで8項目の内容を含む「南北関係発展平和繁栄宣言」に調印しました。出席者はこの宣言を踏まえて、両国が対話を続けることを支持すると表明しました。南中国海の問題については、2002年、ASEAN 諸国は中国と「南中国海における各国の行動に関する宣言」に調印し、地域の紛争を平和的に解決しようという各国の姿勢を示しました。出席者は各国がこの宣言に基づいて引き続き努力し、「南中国海海域に関する行動基準」の制定についてできるだけ早く合意するよう希望しました。(翻訳:董)
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