第四回中国・ASEAN(東南アジア諸国連合)博覧会とビジネス投資サミットが28日、中国南西部の広西チワン族自治区の中心地南寧市で開催されました。中国の曾培炎副首相は関連イベントに出席して、「現在、中国とASEANは戦略的パートナーシップを築き、政治面での相互尊重、文化面での相互交流、経済面での相互促進という良好な状態になっている。今後、双方はチャンスをつかみ、相互の投資をより拡大して、協力を深めていきたい」と呼びかけました。これに対して、イベントに参加したASEAN諸国の首脳は双方の経済貿易関係の発展を評価した上で、ASEANと中国が、政治、経済、文化などの各分野で協力を深めることに期待を示しました。
中国・ASEAN博覧会は中国・ASEAN自由貿易区の設置に向けての具体的な行動になります。過去三年間で、この博覧会は中国とASEANの企業が商品を展示し、取引する場となり、双方による投資への架け橋の役割を果たし、観光や科学技術など分野での協力を促しました。28日に開幕した第四回中国・ASEAN博覧会は中心となる国を設定するテーマ国システムをとり、テーマ国のPR活動を行うほか、中国とASEANとの重点分野の協力プロジェクトを紹介することになっています。
今回博覧会のテーマ国、ブルネイのアルムタデー・ビラ王子は開幕式で挨拶し、中国・ASEAN博覧会によって、双方にもたらされる実際の利益を評価しました。
「中国・ASEAN博覧会は2004年の第一回から、成長を続け、ASEANと中国の一流の企業に展示の場を提供すると共に、企業家に経験や見方について交流するかけがえのない場を設けている。中国・ASEAN博覧会はわれわれが手を携えて、地域の人々により美しく、より豊かな明日を作り上げる上で絶好の手助けになることを信じている」と述べました。
現在、中国とASEANは互いに四番目の貿易パートナーとなり、2006年、双方の貿易額は1600億ドルを超え、今年の貿易額は1900億ドルを超える見込みです。また、相互の投資も拡大されています。2006年末までに、ASEAN国家が中国に対して行った直接投資は合わせて419億ドルに達しました。また、中国がASEAN国家に対して行った投資も急速な成長の段階に入り、ますます多くの中国企業がASEAN国家を投資の目的地とし、ASEAN国家の企業をプロジェクトや技術協力の対象にしています。中国・ASEAN自由貿易区の設置は貿易投資の自由化、利便化とメカニズム化の方向へ向かっています。
開幕式の後、第四回中国・ASEANビジネス投資サミットが開かれました。今回のテーマは「革新と協力??地域成長力を加速する」というもので、中国の曾培炎副首相は基調演説を行いました。曾培炎副首相はこの中で、2006年7月に中国とASEAN関連国が提案した、中国とASEANの北部湾及び南中国海地域における経済協力、「汎北部湾経済協力」構想について、 「双方は汎北部湾経済協力に関する問題を率直に話し合い、政府間調整メカニズムと専門家チームを設立して、協力計画の共同研究と制定、インフラ整備の強化、通関業務の改善や検査検疫、商用ビザなどの制度と環境の改善などを通じて、地域協力を中国とASEANの経済貿易協力の新たな重点にすべきだ」と語りました。
曾培炎副首相の演説はサミットに出席したASEAN国家首脳から賛同を得ました。ラオスのブアソーン・ブッパーヴァン首相は、サミットの席上、「ラオスは中国との全面的な協力をより推進したい」という考えを示しました。また、ベトナムのグエン・タン・ズン首相は、サミットの挨拶で、中国とASEANとの自由貿易区投資協議の早期調印を望みました。
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