ここ数年、ドーピング違反問題はスポーツ界に悪影響を与えています。これを受けて、北京オリンピックでは、ドーピング違反への取締が強化されました。北京大会では、ドーピング検査の回数が史上最多となり、違反した選手への処罰も最も厳しくなっています。
19世紀末頃から興奮剤の使用問題が表われ、1960年代以降国際社会とスポーツ界が関心を寄せる問題となっています。1968年メキシコ大会で、初めて選手に対してドーピング検査が行われました。40年後の北京大会でも、ドーピング剤使用は、依然として厳しい問題になっています。IOCを初め、スポーツ界は、北京大会での取締強化を決めました。IOCのロゲ会長は、「グリーンオリンピック、ドーピング剤と無縁のオリンピックのために戦っている。ドーピングを嫌悪する。ドーピング剤はスポーツの名誉を損なう。成績は、勤勉なトレーニングによるものでないと、なんの意味もない。また、ドーピング剤は、選手の健康を害する。我々は、選手を守らなければならない」と語りました。
北京オリンピックの健全を守るため、北京オリンピック組織委員会は、『世界反ドーピング条例』を踏まえ、一連の厳しい措置を講じました。これらの措置について、IOCの医学・科学部長をつとめるシャマシュ博士は、「北京オリンピックでは、4500回のドーピング検査が行われ、史上最多となる。これは、2004年のアテネ大会より25%増え、2000年のシドニー大会より90%も多くなった」と語りました。
また、ドーピング違反した選手に対する処罰は、史上最も厳しくなります。IOCと各競技連盟が行う処罰のほか、北京大会で6ヶ月あるいはそれ以上の出場禁止を課された選手は、次回のロンドン大会も出場できなくなります。
また、北京オリンピックでは、ドーピング検査は最新の技術による最新の検査を行っています。中国は、アジア最大で、最先端の検査センターを持っています。1989年以来、このセンターは、毎年、IOCと世界アンチ・ドーピング機構の認可を受けています。
組織委員会のドーピング取締は、選手たちから支持を受けています。北京オリンピックの開会式で、卓球の張イ寧選手は、選手代表として、「私は選手全員を代表して誓います。スポーツの栄光とチームの名誉のため、真のスポーツ精神を発揮して今回のオリンピック大会に参加し、大会の各競技規則を遵守しドーピングのない大会になるよう頑張ります」と宣誓しました。
ドーピング違反を取り締まり、オリンピックの権威を守ることは、世界各国が北京オリンピックに寄せる期待であり、中国が世界に約束したものです。今、競技場では熱戦が繰り広げられていますが、完全にドーピングのない大会になるよう、皆が期待しています。(翻訳:李軼豪)
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