北京オリンピックとパラリンピック開催期間中の汚染物質排出量を削減するため、7月20日から9月20日にかけて、北京市の多くの冶金、建築材料、石油化学など汚染源となる企業が操業を停止しています。これは北京がオリンピック開催期間中の大気の質を確保するために講じた措置の一つです。環境保護部門の責任者は「汚染物質の排出削減はオリンピック大会が終わった後も中止することにはならない」と表明しました。
7年前、北京がオリンピックの招致が決まった時に承諾したグリーンオリンピックの関連事項を確実に実行するため、北京市は立ち後れている生産施設を廃棄し、工場を北京地区から移転させるとともに20日から重要な汚染源企業の一時休業を行っています。北京市環境保護局汚染管理所の仲良喜所長は、「オリンピック開催期間中、休業する企業は永久的休業と一時休業とに分けられている。永久的休業は主に、北京市内の一部の汚染源企業を移転させ、これらの企業の生産性を向上させることだ。一方、一時休業はオリンピック開催期間に一時休業することだ。これらの関連企業に対しては今年の初めに通知し、生産計画の調整と休業準備を行わせた」と述べました。
北京西部にある燕山セメント有限公司は一時休業の対象となった企業です。公司の丁重勤総経理は「2000年から、わが企業は生産能力を削減し、生産技術を更新し、汚染源となる生産設備を廃棄するなどの措置を講じており、粉塵の排出量を40パーセント削減した。オリンピック開催期間中、工場の生産を中止するが、生産設備の改修や環境保護設備の整備などの活動を行っている」
「工場の生産量は減少しているが、企業全体は発展を続けている。これは企業にとって良いことだ」
1998年から北京市は200項目以上の汚染物質排出削減措置を講じています。汚染源となる企業の移転、休業、技術更新を進めると同時に、北京市は数万台のタクシーやバスを更新し、数万台の家庭用石炭ボイラーの改造を行いました。こうした措置は北京の大気の質を改善しました。1998年、北京市の大気の質が基準に達した日は100日でしたが、2007年は246日になりました。
これについて、北京で仕事をしているフランス人記者・ニコラスさんは、「多くのフランス人が中国のことをあまり知らず、北京は古くて、環境汚染が深刻な都市であるというイメージを持っている。しかし、私は北京が現代的で、緑化も進んだ都市であると感じている。私は報道を通じて、より多くのフランス人に中国が行っている多くの努力を知らせたい」と述べました。
オリンピック大会が終わった後、関連の汚染抑制措置を実施しなければ、北京の汚染状況が再び深刻化することを心配する人は少なくありません。これについて、北京市環境保護局の責任者・王小明氏は「すでに実施している200項目あまりの汚染物質排出削減措置はオリンピックが終わった後中止することにはならない。北京の大気汚染対策の根本的な目的は国民の健康を守ることだ」と強調しました。
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